10月29日(日)2017明治安田生命J1リーグ第31節
セレッソ大阪 - 大宮アルディージャ (16:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 10月のJ1リーグ戦ではサガン鳥栖、ヴァンフォーレ甲府といった、これまで苦手としてきた相手に、雨天のコンディションのなかでも、持ち味をしっかり発揮して、2連勝。上位戦線に食らいついている、セレッソ大阪。首位・鹿島アントラーズとの勝点差は10で、残り4試合での逆転優勝は厳しい状況にもあるが、それでも、3位横浜F・マリノスとの勝点差はわずか1。AFCチャンピオンズリーグ出場権獲得を狙える位置にいるのも確かなこと。その目標を自らの力で勝ち取るためにも、リーグ戦も最後まで、大事な試合が続いていく。そこで迎える10月最後となる試合では、ホームのキンチョウスタジアムにて、J1残留争い中の17位大宮アルディージャと対戦する。

 大宮とは25日(水)の天皇杯準々決勝でも、同じキンチョウスタジアムで対戦したばかり。そのときには、福満隆貴と澤上竜二にゴールが生まれ、守備でも丹野研太や藤本康太を中心に最後まで集中を切らさず、2-0と勝利。ベスト4に進出することができた。ただし、そのときは、セレッソも大宮も、直近のリーグ戦からメンバーをほぼ総入れ替えして戦っていただけに、今回はまた新たな試合展開になることも想定される。だからこそ、この一戦では、尹晶煥監督も言うように、「選手たちがどういう気持ちで入るのかが大事になる」。

 大宮は、前回対戦した甲府と同じく、J1残留争いの渦中にいるチーム。それでも、そういった相手との対戦が難しい、厳しいものになることは、8月、9月とJ1残留争い中のチームに苦杯をなめたときに、強く実感していたこと。その教訓をいかすことができたのが、10月のこれまでの戦い。それを忘れてはいけない。「気をつけなければいけないのは、相手のことよりも、自分たちのこと。この前、(天皇杯で)勝ったということで、満足はしていないと思うけど、安心して気を緩めてしまうようなことは、なしにしたい。もっと気合いを入れて、天皇杯の勝利を、リーグ戦にもつなげたい」と、守護神のキム ジンヒョンも、なお一層、気を引き締める。

 それでも、今のセレッソは、「全員が守備意識をさらに持ってやっている」と指揮官もいうように、「ユン・セレッソ」の特長である組織的でハードな守備が蘇ってきた。「与えられたポジションでみんな1人ひとりが頑張っている」というのは、主将の柿谷曜一朗。「距離感だったり、身体を張るところだったり、今までにない(いい)ところが出てきていると感じている」と木本恭生も感じる手応えを、この大宮戦でも形として示したい。それが、いい攻撃にもつながっていくのは、今季のセレッソの戦いが証明している。

 9日間で3試合という過密日程は、今季、これが最後。それでも、チームの総力で、J1第30節の甲府戦、天皇杯の大宮戦を乗り切ってきた。特に、天皇杯では澤上が待望の今季初得点を記録。「あいつのことだけで言うと、慣れないポジションで、あれだけ頑張っていたから、あれだけ頑張っている姿を見せられて、俺らが黙っているわけにはいかない。竜二だけじゃなくて、リカ(ルド サントス)に関しても、ゴールはなかったけど、あれだけ一生懸命やる姿を見て、すごく感じるものがあったから」と、柿谷。そのように、選手たちがいい刺激を受けあっているなか、チームが一丸となっている姿を見せるべく、ホーム3連戦の最後は、もちろん、勝利で締めくくるしかない。「自分たちのやることは変わらないですし、相手もJ1残留争いがかかっているので、激しく来るとは思いますが、僕たちもACLがかかっているので、球際一つひとつで負けてはいけない。そこで勝ったら、自分たちが優位に進めると思うので、そこは意識しながら、勝ちを狙いたい」、清武弘嗣もそう力強く述べるように、桜色の戦士たちは、相手に勝る必死さを出して、勝利だけを追求して戦う。

文・前田敏勝