2月1日(木)に開催しました「サポーターズコンベンション2018」について、以下のとおりお知らせいたします。
当日は、約500人のサポーターの皆さんにお集まりいただきました。たくさんのご参加、ありがとうございました。
「セレッソ大阪サポーターズコンベンション2018」レポート【第1部】

第2部は「チーム方針説明」「事業関連説明」「桜スタジアムプロジェクト説明」を行い、そのあと質疑応答を行いました。

【チーム方針説明】
資料
2018年度チーム強化方針(PDF/1.18MB)

チーム統括部長 大熊清
 今、ご紹介いただきました、チーム統括部長の大熊です。
本日は平日、またお忙しい中、天候が悪い中、ご来場いただきまして本当に感謝をしております。また、キャンプがあり選手が来られないということで、大変申し訳なく思っています。選手は順調にキャンプで強化をしており、これから試合が続くのですが、一生懸命頑張っていますので、ご報告させていただきます。

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 それではチームの強化方針ということで、お話をさせていただきたいと思います。まず玉田社長の就任以後、このクラブ方針は全くブレなくやってきています。方針を立てる前年にJ2降格があり、(最後の)1試合で昇格できなかったシーズン、そして昇格、そしてJ1で2冠・ACL出場権獲得と…。本当に苦しい中も、ずっと多くの皆様のご支援をいただいて、U-23、レディース、子どもたちのいい成績につながったのかなと思っています。本当にありがとうございました。この方針のもと、また今シーズンもやっていきたいと思います。サポーターとともに選手が主人公となって、しっかりやっていきたいと思います。
 私は他のクラブ、日本サッカー協会でも経験がありますが、今『チーム力』ということを掲げているようだと、昇格、Jリーグ、またACLの上位進出というのはなかなか達成できないと思います。スポンサーの方々にもご報告させていただきましたが、皆さんも含めた『クラブ力』をぜひ高めて、本当にセレッソがアジア、そして世界にさらに名前を轟かせていけるように、しっかり皆さんとともに頑張っていきたいと思っております。

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 次は「行動規範」ということです。U-23の若い選手に英語教室で学ばせたり、サッカー選手の前に人として、というところにここ数年、取り組んでおります。コンプライアンスの問題があり、メールでいろいろなご指摘をいただいた点もクラブとして共有しております。いろいろ率直なご意見がある中で、それを真摯に受け止めて、さらに強い意志を持った、しっかりとした人格ある選手たちで強いチームを作っていきたいと思います。また、選手たちはずっとサッカーができるわけではありません。Jリーグからもいろいろなサポートをしていただいているのですが、(その中でも)自己啓発をクラブ全体、そして選手たちにしっかりと指導し、そして気付きをさせて、自立した選手にしていきたいと思っております。

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 これはクラブと皆さんが作り上げてきたものをデータ化したものです。ここにありますように、アカデミー出身選手のトップチームに占める割合が昨シーズンは36.6%でした。これは、今回ACLプレーオフを勝ち抜いた柏レイソルに次ぐ、Jリーグ全54クラブの中で2位になっております。
 今の日本代表や各世代別代表でも、クラブ(アカデミー)育ちの選手が多くなってきて、子どもたち年代からのスカウトも多くなっています。しかし、本当に強いチームを作る上ではやはり、高校選手権の参加は全国で4000校以上、大学では400校以上あり、その力も重要と考えます。今シーズンは安藤(瑞季)が長崎総合科学大学附属高校から加入しました。おもしろいことに、彼は自己紹介の時に『小嶺先生(忠敏/同校サッカー部総監督)の学校から来ました』と話すくらいキチッと指導された選手です。ちょっとセレッソの色とは違ったプレーヤーですが、非常に期待できるかなと思いますし、新たな目で見ていただくと、プレーも今までのセレッソにいた選手とはちょっと違う、ある意味では異端だと思います。いい化学反応が起こればと思っております。
 そしてこの(トップチームの中でアカデミー選手が占める)パーセンテージを、皆さんで作り上げたものを生かしながら、できれば自分たちで育てた選手で70%を達成したい。柏レイソルを抜いて、Jリーグトップにしていきたいと思っております。
 今のトップチームで言うと、45%が自分たちで育てた選手(アカデミー出身+高校・大学からの新卒)になっております。クラブ全体では62%がアカデミー出身+新卒選手になっております。私も子どもが3人いますが、なかなか我慢が必要で、すぐには育たないなと思います。ただ、(そういう中でも)本当に皆さんのお力で子どもたちをグラスルーツの頃から育てていただいたものが、ご支援いただいたものが、この2冠につながっていますし、かわいい子ほど旅をさせろということで(柿谷曜一朗や清武弘嗣など)選手が循環して戻ってきて本当に強いチームを作ってもらっているというのは、皆さんの継続的なご支援や力が花開いて、今、結果につながっていると本当にありがたく思っております。

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「チームコンセプト」も変わっておりません。海外ネットワークの充実ということで、今回もU-23の選手をスペインに送っています。私の息子もサッカーをやっていて福岡大学にいるのですが、小学5年生で1度、1人でブラジルに送りました。やはり若いうちに1人で(海外に)送り、新しいものを見ておく、感じておくことが大きいので、そういったことも模索しました。そういう海外への移籍だったり、子どもたちを育てるというところも、海外ネットワーク等々でしっかり取り組んでいきたいと思います。また、尹晶煥監督が就任して以来の「献身性を持った走り」、あとでデータをお見せしますが、こういったところもしっかりと継続していきたいと思っております。
 それと、「TOPとSAKURA NEXTとの連携」ということで、今シーズンは期限付き移籍の選手を6人 出して、50人でチームを作っております。後にも先にも50人を抱えるチームというのはなかなかないと思いますが、これもスポンサー様、そして皆さんのご支援があってのことで、それをうまくU-23と循環させながら、しっかりとやっていきたいと考えています。その最たる例が木本(恭生)です。彼は非常に寡黙な選手で、U-23のキャプテンもやらせて我慢しながら育てたのが今、開花して、話も多少できるようになって、トップでレギュラークラスになりました。そういう貯金があったからではないですが、本当にU-23の存在というのは大きいです。ドイツなどではU-23リーグというものがあります。Jリーグにもビジョンがありますが、セレッソのすごいところはレディースがあり、子どもたち(アカデミー)があり、エリートクラスがあり、本当にJリーグのビジョンに沿ったクラブであるというところです。私もサッカー界は長いですが、本当にJリーグのビジョンに沿ったクラブとしてはナンバーワンだと思います。そういった誇りも持って、さらに応援していただければと思っております。

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(昨シーズンのJ1リーグでの)順位は3位。おかげさまでACLにも久々に出られます。J3は13位に終わっております。

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 次は走行距離です。これは尹晶煥監督の献身的に走る(スタイル)ということで、(J1リーグ全体で)4位というところです。走行距離で相手チームより下回ったのは34試合中9試合で、走行距離的には(J2時代の2016シーズンと)あまり変わっていないんです。ただ、J2のほうがやはり慌ただしいというか、攻守の切り替えが激しい。そういう意味では、走行距離自体はJ2のほうが長かったのです。ただ、ターンオーバーを使ったり、うまく我慢しながら後半に点を取りに行ったりというところで、そのタイミングや連動性が上がったというところが違いますし、後半に強くなりました。そういった選手のマネジメントも含めて、尹晶煥監督にしっかりとやっていただいた結果だと思っております。

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 次はスプリントです。これは時速24km以上のスピードで走った回数ということで、セレッソは(J1リーグ全体で)5位になっています。今、ハイインテンシティー(高い強度)の、強いプレッシャーだったり、ダッシュを繰り返す能力が問われています。そういう意味では34試合中5試合しか負けていません。走行距離とスプリント数の両方で負けている試合は4試合のみです。両方で下回ると試合結果も1勝1分2敗ということで、リーグ戦では全部で6分9敗しているのですが、やはり(両方の数値で下回った場合は)負けや引き分けが多くなっているというデータになります。

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 献身的に走るというところは着実に上乗せできているのかなと思っています。ポゼッション力においては、これはちょっとおもしろいデータなのですが、先ほどのスプリントでは川崎フロンターレが17位で全然走っていないんですが、ボールを走らせている(ポゼッションは2位)。やはり浦和レッズ、川崎フロンターレはボールを失わない、キープする力が非常にある。
 セレッソは(ポゼッション力では)12位。走行距離・スプリント回数ともに相手を上回ったのにスコアで負けた試合は4試合しかありません。その意味では、セレッソはすごく走る実績はデータでも実証できて、結果も出してきているのですが、(今シーズンは)ACLなどの過密日程を含めて考えると、ボールを失わないで主導権をさらに握る必要があります。
 川崎フロンターレ、鹿島アントラーズ、柏レイソルなどはポゼッション力がある。今回、尹晶煥監督が練習からポゼッションという言葉をかなり使っているのですが、ポゼッション力を上げてさらに強いチームを作ることが非常に重要かなと。そういう意味では(ポゼッション率)50%や60%にしていきたいと考えています。バルセロナの試合を見たことがある方もいるかもしれませんが、バルセロナは60%、70%あります。ボールを失わず、効率的にタイミング良く走る、それがああいうチームなのかなと思います。

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 昨シーズンの振り返りとしては、チームとしては、この1番目の項目が非常に変わってきており、プレーの質も変わっています。劣勢の時に水沼(宏太)のクロスがあったり、ヨニッチがDFなのに6点入れているというところがあったり。マル(丸橋祐介)が11アシスト、水沼が8アシスト。やはりJ1に復帰して(プレーの)質を上げなくてはいけないないという意味では、皆さんのご支援があって、クオリティーの高い選手に来てもらって、チームとしての質が上がっているという部分があるのではないかと。もちろん走り、献身性というベースがあってのことですが、やはり規律、競争、自信がついてきたことが2冠につながり、かつ質が上がってきたところは皆さんも見ていて感じ取れるところかなと思っています。

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 J1リーグでの総得点数は2位です。これは水沼、清武(弘嗣)を補強して、それが実績に出ているのと、やはり尹晶煥監督のサッカー、(柿谷)曜一朗のキャプテンとしての頑張り、そして左サイドのクロスからの得点が20点。もしくは3本以内のこぼれ球等々で得点を決めた数字がリーグ3位というところが大きいと思います。その上でルヴァンカップ決勝の(杉本)健勇の得点のように、相手のミスを突いての速攻も非常に強くなっていると思います。

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 総失点はJ1リーグ9位。皆さんがご覧になったかは定かではありませんが、アウェイでのジュビロ磐田戦(第23節)は非常に苦しく、攻められて同点に追いつかれたシーンがありました。それを除いても、やはり浦和戦(第22節)など大量失点があり、失点数では9位になっています。ただ、セットプレーからの失点は12点。これがリーグ最少ということはヨニッチ、しゃべれるようになった木本、そういった高さというのが2016年との違いかなと思っております。それとブロック数が3位ということで、引いても最後の最後で、皆さんの気持ちも含めてスライディングをするようなシーンが多くなったと思います。そういう意味では最後に体を張る、また木本がレギュラーを奪ったり、それに負けじと他のメンバーが頑張って、最後のところでそういう(体を張る)気持ちが出ると。世界に出ると1センチ、1ミリいうところにもなってきますが、最後まで(守備に)行けているということが結果につながっていると思います。

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 少し専門的になってしまいますが、「バイタルエリア(DFとMFの間のスペース)」という言葉があり、(どのチームも)そのスペースを消しにいきます。そうするとサイドが自然に空いてくるので、そこを突かれたら仕方がないところもあるのですが、データを取ると、セレッソは例えば(山口)蛍が前に出ていく、ソウザも性格上(前に)出ていく。そうなると「バイタル」が相手に使われてしまう。そういう部分がデータとして出ています。そこを尹監督がうまく(選手に)我慢をさせながら結果を出していますが、(バイタルエリア)を閉めている割りには使われてるというデータがあるので、そこはしっかりと改善していかなければいけないところです。あとはヨニッチ、木本、その他の高さがある選手がいて、クロス1回での失点は少ないのですが、こぼれ球を失点までつながれてしまうというデータもあります。サッカーの専門的な、そういった目線でも試合を観てもらうと、また楽しんでいただけるのかなと思います。

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 今シーズンの目標ですが、継続的なACLの出場獲得、4つのタイトルへの挑戦です。これは社長にもご理解いただいて『挑戦』という言葉にしています。いつの間にかチャレンジする立場から追われる立場になっているので、これをどうにかまたチャレンジするという気持ちを持つことが大切かなと。(宮崎キャンプの練習試合では)4-2で勝ちましたが、鹿屋体育大学にかなり苦戦しました。相手はセレッソのトップチームと試合ができる機会はそれほどないので、チャレンジする気持ちが出て、(セレッソの主力が出た)1本目も1-0でした。(それを踏まえても)やはりチャレンジし続けることが非常に大切かなと思います。それと1試合1試合しっかり皆さんとともに一緒に戦っていくことが必要だと思っております。

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 スタッフでは、田中等志フィジカルコーチが栃木SCへ移り、渡邉翔フィジカルコーチが入りました。また、U-18から田島一樹がU-23のコーチに移ったということで、新しい風を吹き込んでもらって、しっかりといいチームを作っていきたいと思っております。

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 補強の狙いですが、天皇杯決勝を戦った11人の平均年齢が3年後には29.6 歳になります。私の立場としては、3年後には安藤と山田(寛人)で2トップができるかもしれない、というようなイメージを持って補強しました。それが、1年目、2年目から安藤や山田が頑張ってくれれば競争になる。そういう素材を獲らないと、なかなか(チームとして)上昇できないと思うので、短期だけでなく、3年後も視野に入れた短期・中期的な補強をしました。
また、今シーズンは過密日程で1カ月で10試合ある月もあるので、選手層という部分。そして、さらなる得点アップと、失点が多かった部分を安定させていきたい、攻守の安定を図っていきたいという目線で補強しております。

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 新メンバーには、ヤン ドンヒョンがいて、田中亜土夢、片山瑛一というロングスローを持った非常に真面目な選手、それに浦和から高木俊幸という切り札的な選手を獲っています。チャウワットは、タイのオリンピック代表のキャプテン候補にもなっている選手です。ぜひ、応援をよろしくお願いします。

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 次が新卒の補強になります、先ほどから名前が出ている安藤。全国高校サッカー選手権で張り切り過ぎて負けた試合、累積(警告)で出られなかったというような、テストで練習に来たらソウザのことを削っちゃうような、非常におもしろい選手です。それとアカデミー出身では、山田の洗練されたポストプレー、中島のテンポあるサッカーもおもしろいかなと思います。永石(拓海)はユニバーシアード日本代表のレギュラーです。魚里(直哉)は(U-18からトップチームに昇格できずに)悔しい思いをして大学に行って、また戻って来た選手です。アカデミー、外部も含めて10人の補強をしています。ぜひ応援をしていただきたいと思います。

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 トップチームは29名になります。新しい選手も含めて、ぜひよろしくお願いします。
 U-23のほうは13名です(2種トップ登録2名予定)。トップチーム中心でやっていますので、練習人数が足りなくなったらU-23の選手がトップチームの練習に行ったりもします。そういった中で、例えば今回手術をした澤上(竜二)は昨シーズンはJ1で12試合しか出られなかったということで、逆にもう少しトップチームのほうからも若手の育成、U-23に選手を送るということもやって、U-23をしっかりと強化の場にしていきたいと思っております。
 昨シーズンはルヴァンカップも天皇杯もずっと勝っていたので、その調整の中でトップチームの選手をU-23に送ることは難しい状況でしたが、そのあたりも今シーズンはうまくやっていきたいと思います。それと世界では当たり前ですが、U-18から瀬古(歩夢)と喜田(陽)をU-23に登録します。彼らは将来、必ず皆さんの期待に沿う選手になると思うので、ぜひ期待をしてもらいたいと思います。彼らを含めた15名でU-23のほうは頑張っていきたいと思っております。

 時間も短くて雑駁な説明になりましたが、以上となります。本当にお忙しい中、ありがとうございました。今シーズンは4つのタイトルに挑戦するということで、1試合1試合、皆さんとしっかり戦っていきたいと思います。また、皆さんの今日の熱を宮崎に明日戻ってしっかりと伝えたいと思います。本日は本当にありがとうございました。今後とも応援をよろしくお願いいたします。

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「セレッソ大阪サポーターズコンベンション2018」レポート【第2部(2)】事業関連説明