「まいど!セレッソ」のオフ企画第2弾は、選手別の2015年レビュー!
セレッソ番の3記者が、今季の活躍ぶりや、日々の取材の中で印象的だったことなどを、選手ごとに振り返ります。ピックアップは15選手です。


田代有三の2015年

 3月末、鹿島アントラーズでの1年目と同じ背番号19を背負ってセレッソに途中加入。その後しばらくは肉離れなどケガが続き、別メニューの期間も長かった。復帰後は“空中で止まる胸トラップ”が選手からも感嘆の声を誘うなど、これぞポストプレーといった技を練習から連発。試合でも、最前線で体を張って戦い続ける姿は頼もしかった。フォルランとカカウが抜けた6月以降は攻撃陣の主力となり、特に3勝2分1敗と快進撃を続けた7月の戦いを3得点で力強くけん引した。第33節・水戸ホーリーホック戦 を最後に得点から遠ざかり、終盤はコンディションが万全ではない姿も見られたが、空中戦で競り勝つ確率は高く、最後までチームにとって重要な選手であり続けた。
 舞洲の練習場では、特定の選手といるような様子はなく、プレー同様にどっしりと落ち着きのある姿でチームに安心感をもたらした。ふくらはぎや太ももなど、がっしりとした肉体は若手の驚嘆の的だった。

 ライターからひとこと

「いいっすよ!」。練習後にコメントを求めると、常に爽やかな返事と笑顔でこちらの気持ちをほぐしてくれた。得点から遠ざかった時期もその姿勢は変わらず、最初から最後まで実直な人柄が強く印象に残っている。
 昨オフ、MLSでのプレーを断念し、セレッソ加入を決断した裏には家族の存在もある。3人のお子さんについて話が及ぶと、「一番下の子の記憶に残るまではサッカーを続けたいですね」と目尻を下げ、優しきパパとしての顔ものぞかせた。

文・小田尚史

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