「まいど!セレッソ」のオフ企画、選手別レビュー!
J1昇格を決めた2016年。選手にとってのこの1年を、日頃から取材を続けてきた番記者ならではの視点で振り返ります。


山村和也の2016年

常勝軍団・鹿島アントラーズから、2016シーズンにセレッソへ移籍加入した山村和也。
彼の持ち味は、開幕戦・FC町田ゼルビア戦 でいきなり証明される。相手に押される苦しい展開でもボランチで身体を張って対応。また、コーナーキックからのヘディングシュートで、値千金の決勝弾を記録したのだ。そこから攻守のバランサーの1人として、先発の一角に定着。コンビを組むソウザの攻撃力も目立っていたが、山村も2列目から積極的にゴール前へ飛び出すなど、チームの求めるボランチの攻撃参加・得点力という面でも貢献度は高く、かつ「試合の流れというところで、何をしなければいけないのかを、一戦一戦しっかりやっていきたい」という言葉通りのプレーも見せていた。7月には山口蛍の復帰もあり、ポジション争いが激化。先発で出る機会が限られ、ベンチから試合に臨むことも少なくなかったが、それでも出番が来たときには与えられた役割を的確にこなしていく彼の姿があった。
J1昇格プレーオフの2試合では後半途中の大事な時間帯に投入され、空中戦の強さを生かして相手のパワープレーを何度も跳ね返し、存在感の大きさを改めて見せつけた。
2年ぶりに戻るJ1の舞台。2017シーズンも、引き続き、山口・ソウザらとの激しいポジション争いに身を置くことになるが、堅実かつ要所での決定力の高さもある背番号24は、桜の勇敢な戦士の1人として、ピッチで闘ってくれるはずだ。

ライターからひとこと

山村選手を表現するなら、礼儀正しい好青年。練習後でも試合後でも、お話を聞かせていただくときの対応は、超真面目。挨拶を欠かすことはありません。ただ、真面目すぎるせいか、勝って殊勲の選手となっても派手に喜んだりはしないほうなので、ある意味においてインタビュアー泣かせの選手なのかもしれません。
練習前のボール回し、練習後の居残りシュート練習、そしてチームメイトとのコミュニケーションでは、リラックスした笑みを浮かべる姿もたくさん見ることができました。2017シーズンは、サポーターにも、そしてできればメディアにも、たくさん笑顔を見せてほしいものです。

文・前田敏勝

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