今オフもやります、「番記者座談会」sign01
昨オフまでは笑顔少なめの3記者の皆さんでしたが、今オフは満開の笑顔でお話いただきました。
皆さんが選ぶベストゲーム、2017MVP、MIPは…? 
そして、2018シーズンに最も期待する選手とは…? 
短いオフですが、じっくりお読みください!!
出席いただいた3記者profile 

過去最高のシーズン、「FW山村」のサプライズで流れをつかんだ

--まずは2017シーズンのセレッソを総括して、ひとことずつお願いします。
小田 過去最高のシーズンだったことは間違いないですね。タイトルが獲れて、リーグ戦でも過去最多勝点を取った。活躍した選手も多かったですし、今までで一番の年だったと思います。
和田 久しぶりのACL出場おめでとうございます!!ということと、初のタイトルが獲れて、ユニフォームに星が付いたというのは、ずっと応援してきた者として、本当に感動をありがとうございます!!という気持ちです!
前田 ひとことでと言うと、『いい意味での想定外』でした。ここまでいろいろなものがハマるというのは…。監督が代わっても、選手はJ2のときと同じメンバーがベースになっている。当初の目標であった9位以内に入れば万々歳だと思っていたところが、ACLの出場権を獲って、タイトルも獲れた。歴史に残る、目を見張るシーズンになったのかなと思います。

ルヴァンカップ(写真)、そして天皇杯と2冠獲得、最良のシーズンになった

--特に印象に残っていること、試合、選手についてはいかがでしょうか?
小田 浦和戦(第2節)に完敗 して始まったシーズンでしたが、あの試合を糧にしたというか、布陣をすぐに変えるなど修正しましたし、1試合1試合、どんどん身になっていったなと。昨オフの座談会では『積み上げ』というキーワードを2017年に望むこととして話させてもらったんですけど、まさに2017年は監督も選手たちも、J1という舞台を楽しみながら、どんどんそこにレベルを合わせていくというか、水沼宏太選手や松田陸選手たち、今までJ1ではちょっと苦しんだり、思うようにいかなかったシーズンがあった選手たちも、試合を重ねるごとにフィットしていきました。追いがいのあるシーズンでした。

--シーズン中に壁にあたっても、柔軟に変化することで乗り越えてきたということでしょうか?
小田 そうですね、そういう決断は早かったです。山村和也選手をすぐに前のポジションで使ったというのもそうです。山村選手は、キャンプの時はボランチをしていたんですけど、FWで出ていたこともあったんです。札幌戦(第3節)の前の囲み取材で、尹監督は鳥栖にいた頃から山村選手を高く評価していたと話していて、「この選手は前で使った方が活きるんじゃないか」というのがあったようで、スパっと(笑)使ったんです。
和田 山村選手自身も楽しんでいらっしゃった気がします。最初は「僕がFWでいいの?」みたいな感じで、気負いがなくて(笑)
前田 僕がキャンプを取材させてもらった時はまだボランチで、監督が口を酸っぱくしてポジションの修正など声をかけていたんです。期待が相当に大きいんだな、とそのときから思っていました。FWに抜擢して、これが監督のやりたいことなのかなと思っていたら、あれよあれよという間にハマっていきました。杉本健勇選手とのいい関係もできて、お互いが刺激し合いながらプレーできたのかなと、特に前半戦はそう感じました。そのあたりは見ていて楽しかったですね。
和田 山村選手は何でもできるんですよ。『天は二物を与えず』って言いますけど、ものすごくいっぱい与えられてはる(笑)
小田 走りますし、守備の迫力もすごいですよね、前に行くときの。序盤で浦和に負けた後、立て直せたのは彼の活躍が大きかったんじゃないかと思います。

前半戦のサプライズ、FW起用された山村和也選手。頼もしく前線でチームを引っぱった

和田 杉本選手や柿谷曜一朗選手の気持ちに着火したのは、山村選手が得点を上げ始めたということが大きかったんじゃないでしょうか。本来FWの自分たちもやらないと…という切磋琢磨というか、チームとしての結束力みたいなものが出た気がします。
小田 柿谷選手が左サイドにまわったのは、浦和戦(第2節)で起点ができなかったということで、監督には『サイドを起点にしたい』という思いがあったようです。柿谷選手のようなボールを失わない、持てる選手をサイドに移して…という考えでした。本人としては、前で点を取って…という思いはあったと思うんですけど、サイドで時間を作るとか、ボールを収めるというところをきっちりやってほしい、と監督は言っていました。内心はいろいろあったと思うんですけど、柿谷選手と清武弘嗣選手がしっかりと両翼を務めましたよね。
和田 浦和戦の次の札幌戦で、柿谷・清武の両選手がサイドをやるということで、見ているほうとしてはこんなにおもしろい布陣はある?何をやってくれるんだろう?という気持ちでした。あの試合では、まだハマるとまではいかなかったんですけど。
小田 2人とも、どちらかというとサイドではなく中の選手なので、大変だと思うんですよ。清武選手も言っていましたね、「サイドはペース配分とか、どのタイミングで中に入るのかとか、試行錯誤しながらやっている』って。2人にとっては大変だったと思いますが、ぜいたくな両サイドでした。
和田 でも、彼らが頑張ってくれたからこそ、いいふうにチームがまわったと思います。

vol.2に続く


【セレッソ番の3記者】
前田敏勝さん(左)
Jリーグ公認ファンサイト「J’sGOAL」のセレッソ大阪担当。セレッソのオフィシャルメディアや雑誌、WEBなどで広くサッカーライターとして活躍を続けている。
和田りつ子さん(中)
元女子1級審判で、スカパー! の中継レポーターの経験も豊富。サッカーの見識、愛情ともに深い“おしゃべり屋さん”。セレッソ大阪堺レディース、ガールズも取材。
小田尚史さん(右)
『エルゴラッソ』のセレッソ大阪担当として、ホーム・アウェイの試合、トレーニングと広く深く取材を続けている。チーム愛に満ちた熱い記事が持ち味の気鋭のライター。
進行・まとめ
横井素子(まいど!セレッソ~マイセレ~編集担当)

2017年12月23日実施