「まいど!セレッソ」のオフ恒例企画となった「選手別レビュー」。
実り多きシーズンの終わりに、番記者が思いを込めて各選手たちの活躍を振り返ります。


キム ジンヒョンの2017年

 2017年は、「セレッソの守護神」に加えてワールドカップ予選を戦う韓国代表としての重責も担いました。代表招集のために欠場する試合もあるなかで、J1リーグ戦31試合、ルヴァンカップはグループステージと決勝の4試合、J3リーグ戦にも1試合(ケガからの復帰戦)、天皇杯は準決勝・決勝の2試合に出場と大車輪の活躍ぶり。
 ここ数年はオフシーズンになると移籍のウワサが流れるものの、セレッソ一筋9年目。GKという1つしかないポジションを争う丹野研太選手とも「練習からベストを尽くしてやってきたし、丹ちゃんとどちらがピッチに立っても良いプレーができるように、普段からサポートし合ってきた」と話し、「前線からの守備に、いつも助けられていた。もしシュートを打たれても、自分が止めれば負けることはない。負けたら自分の責任だと、いつも思っています」とチーム愛も責任感も人一倍。天皇杯優勝後には、「チームみんなで勝ち取ったトロフィー、うれしい」と涙を見せていたのが印象的でした。
『サッカーは子どもを大人にし、大人を紳士にする』と言われますが、まさにジンヒョン選手を表す言葉ではないでしょうか。人生の伴侶も得て心身ともに充実、2018年はさらにパワーアップしてくれるはず!

ライターからひとこと

 リーグ戦終了後に結婚式を挙げ、その後、日本に戻って天皇杯の優勝を勝ち取りました。『結婚したからって、なにが変わるわけでも』…そう思われるかもしれません。いや、ジンヒョン選手は変わりました。表情が!立ち居振る舞いが!そして、プレー中に見せる責任感も、一層強くなりました。変わらないのは、毎日毎日のトレーニングに前向きに励むところと謙虚なところ。『GKは三十路を過ぎてから』と、よく言われますよね。2017年に30歳になったジンヒョン選手、これからがますます楽しみになってきます。
 2018年は、ACLへの再挑戦、そしてワールドカップが待っています。ジンヒョン選手が、2014年のACLで悔しい思いをし、その経験を糧にここまで成長してきたのは、セレッソを応援してきたファン・サポーターの皆さんならご存じのはず…。「自分にとって、大切な1年が始まります」という言葉には、強い覚悟が感じられました。

文・和田りつ子

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