「まいど!セレッソ」のオフ恒例企画となった「選手別レビュー」。
実り多きシーズンの終わりに、番記者が思いを込めて各選手たちの活躍を振り返ります。


マテイ ヨニッチの2017年

 2017シーズンの躍進を支えたクロアチア人センターバック。日本でプレーするのは初めてだったが、すぐに適応。韓国・Kリーグで2年連続ベストイレブンに輝いた実績は伊達ではなかった。タフでハードなディフェンスは鉄壁そのもの。桜の門番として、J1リーグ戦の全34試合に出場。相手のストライカーをことごとく封じ、チームのベースとなる守備を固めていく。空中戦の強さは、守備だけでなく、攻撃時のセットプレーでも発揮。今季のチーム初得点(第2節・浦和戦)は、彼の頭から生まれたものだった。要所での決定力はセレッソの大きな武器となり、J1リーグ戦では6得点をマーク。また、彼の的確なフィードから一気にチャンスが作られたことも少なくなかった。
 J1リーグ戦3位、ルヴァンカップと天皇杯の2冠達成は、彼の存在なくしては語れない。2018年は、待ち望んでいたACLにも桜の一員として参戦。1月29日で27歳を迎える、脂の乗りきったヨニッチが、セレッソを高みへと導く。

ライターからひとこと

 真面目、クール、そんな言葉がぴったりと当てはまるヨニッチ選手。夏場は日本の蒸し暑さになかなか慣れることができず、悔しい途中交代も経験。そのときは「相当落ち込んだ」そうですが、ルヴァンカップ準決勝第2戦・ガンバ大阪戦 から、チームとともに自信を回復。まさに、彼のコンディションが、チームのバロメーターにもなっていました。大事なところでの活躍も多かっただけに、彼がJリーグベストイレブンに選ばれなかったことが不思議なくらい。個人的にはMVP級の活躍をした選手の1人に推したいと思っています。
 クロアチア出身の著名人といえば、警察官出身の格闘家、ミルコ クロコップ選手がおなじみですが、セレッソの心強いガードマン、マテイ『クロコップ』ヨニッチ選手の2018シーズンの活躍にも、当然、期待せずにはいられません。

文・前田敏勝

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