今オフもやります、「番記者座談会」sign01
昨オフまでは笑顔少なめの3記者の皆さんでしたが、今オフは満開の笑顔でお話いただきました。
皆さんが選ぶベストゲーム、2017MVP、MIPは…? 
そして、2018シーズンに最も期待する選手とは…? 
短いオフですが、じっくりお読みください!!
出席いただいた3記者profile 
「2017番記者座談会」バックナンバー 

好ゲームが多かった2017シーズン、ルヴァンカップ決勝は別格!!

--皆さんのベストゲームをあげていだたけますか?
前田 リーグ後半戦初戦の柏戦 です。強かったです、あの試合は。球際の攻防でも負けないで、逆転で勝ちきることができたというのは大きな自信になったと思います。見がいのある試合でした。

前田敏勝さんのベストゲーム:柏戦(第18節)

小田 7月のホームゲーム、FC東京戦(第17節)、柏戦(第18節)、浦和戦(第22節)の3試合は、本当にすばらしい試合を重ねましたね。そんななかで、僕がシーズンベストに推したいのは、J1リーグ戦のアウェイ・横浜FM戦(第32節)。入りが悪くて先制されてしまったんですけど、後半一気に逆転しました。マリノスもまだACL出場の可能性があってガチンコで来たわけですが、そういった相手に先制されて苦しくなるのかなと思ったところが、立て続けに見事な崩しもありました。あの試合では一皮むけたというか、勝っているけれども内容が…と選手が言っていた夏場と比べて、清武弘嗣選手が戻ってきて、より強くてうまいチームになったかなと感じました。清武選手から柿谷曜一朗選手に出して、清武選手がヒールで出して水沼宏太選手が決めた場面などは、昔の…と言うと語弊があるけど、2シャドーが躍動していたころのセレッソのコンビネーションが見られて、かつ守備もしっかりしていて…いい部分がいっぱい見られました。あとは、印象に残っている試合として札幌とのルヴァンカッププレーオフステージ第1戦 と、新潟との天皇杯3回戦 もあげたいです。(両大会とも最終的に優勝を成し遂げたが)アウェイで勝ち切ったこの2試合は大きかったと思います」

小田尚史さんのベストゲーム:横浜FM戦(第32節)

和田 私のベストゲームは、ルヴァンカップから選ばせてもらいます。準決勝第2戦 のG大阪戦です。ダービーって本当に楽しいな、と感じました。チケットも完売で、見に行けた人はラッキーという試合でした。もちろん、決勝(川崎F戦)もすてきでしたけど(笑)
小田 決勝はね、あれはもう…外せないというか、ベストと言うとあれがベストなんでしょうが…(笑)
和田 決勝は別格です!
小田 ああいうサッカーで勝ちきるというのは、2017年を象徴していた気がします。
和田 今までは自分たちのミスから失点して、自分で首を絞めていた気がしましたが、今回は…。
小田 逆に相手がミスをして、そこから点を取り、相手が焦ってミスが増えて、セレッソのほうは走りきるという内容でした。

和田りつ子さんのベストゲーム:G大阪戦(ルヴァンカップ準決勝第2戦)

--今までセレッソを長く取材された皆さんは、つらい思いをたくさんされてきたと思います。初タイトル獲得についての感想を。
前田 ルヴァンカップ決勝は、大げさですけど雰囲気がちょっとUEFAチャンピオンズリーグに似ていて、あれを味わえたことに感動しました。こういう舞台で、今までタイトルが獲れなかったチームが獲れた。あれだけ堂々と戦って…。決勝で初めて今季のルヴァンカップに出ることになった杉本健勇選手が、『これで勝てないと出られない選手に顔向けできない』という話をしていて、選手がクラブのために戦う、タイトルを獲るにふさわしいチームだなと感じました。こういう形で初めてのタイトルを獲ることができたのは、すごく意義のあることだと思いました。
小田 ルヴァンカップの決勝は今までテレビで見ていて、1度取材したいなとずっと思っていました。取材していて楽しかった、獲ったから言えるのかもしれないですけど。決勝に向かうまでの1週間の練習も独特の緊張感があり、取材陣も増えたりして、いつもとはムードが違うなかで取材ができる喜びというのもありました。前日会見も独特な感じで、入場シーンのコレオグラフィーもすばらしかったです。開始早々に点を決めて、最後に2点目を取って…2点目が取れたから、さらに盛り上がった。本当に楽しい1週間で、何度でも味わいたいなと思います。
和田 優勝するチームってどんな雰囲気なのかな、と思っていましたけど、決勝の前の練習を見て、『あ、優勝するな』というのをひしひしと感じました。選手たちが浮き足立っていなかった。申し訳ないですけど、今まで天皇杯の決勝前とかは浮き足立っていました。今年のセレッソは、雰囲気がよくて、やるべきことをしっかりやっていた。優勝するために特別なことをするというのではなく、いつも通りに1週間、きっちりルーティーンをこなしていました。

番記者3人が「別格」と言うルヴァンカップ決勝・川崎F戦。試合内容も試合前の雰囲気も最高だった

--そういうことをお聞きすると、2000年のリーグ戦1stステージで優勝を逃したチームに、尹晶煥監督や森島寛晃部長がいたということが生きていたのかなと感じます。当時の1週間は、まさに『浮き足立つ』という言葉が当てはまっていました。
前田 尹監督にそのときの話を聞いたことがあって、『あの経験はすごく大きかった』と言っていました。(優勝のかかった2000年のリーグ戦1stステージで敗れた)その川崎Fを、ルヴァンカップ決勝で当たって倒したことは『すごく感慨深い』とも言っていました。
小田 柿谷選手が準決勝でG大阪を破った時にまず言っていたのが、『今までのセレッソもここまでは来たことがある』ということでした。全然うれしそうな顔をしていなかったんです。あえてそういう言い方をしたと思うんですけど。試合後のミックスゾーン(取材エリア)で、決勝ゴール決めた木本恭生選手はすごくうれしそうに喜んでいたんですが、柿谷選手だけはまったくの真顔で、全然喜んでいなかった。そういう引き締める空気を作りながらやったというのも大きかったですね。
和田 酒本憲幸選手や藤本康太選手など、悔しい思いを経験している選手たちがいたことも、意味があったと思います。

vol.4に続く


【セレッソ番の3記者】
前田敏勝さん(左)
Jリーグ公認ファンサイト「J’sGOAL」のセレッソ大阪担当。セレッソのオフィシャルメディアや雑誌、WEBなどで広くサッカーライターとして活躍を続けている。
和田りつ子さん(中)
元女子1級審判で、スカパー! の中継レポーターの経験も豊富。サッカーの見識、愛情ともに深い“おしゃべり屋さん”。セレッソ大阪堺レディース、ガールズも取材。
小田尚史さん(右)
『エルゴラッソ』のセレッソ大阪担当として、ホーム・アウェイの試合、トレーニングと広く深く取材を続けている。チーム愛に満ちた熱い記事が持ち味の気鋭のライター。
進行・まとめ
横井素子(まいど!セレッソ~マイセレ~編集担当)

2017年12月23日実施