「まいど!セレッソ」のオフ恒例企画となった「選手別レビュー」。
実り多きシーズンの終わりに、番記者が思いを込めて各選手たちの活躍を振り返ります。


木本恭生の2017年

「朴訥」「天然」「パパ(若親父)」…親しみを込め、そんなふうに言われることもある2年目の木本恭生。2017シーズンのセレッソで最も成長し、結果を残した選手の1人ではないでしょうか。
 ルヴァンカップでは、初戦・横浜FM戦 で先制点。さらに、準決勝第1戦・G大阪戦 でもゴールを決めて、つづく第2戦 では、後半アディショナルタイムに劇的な決勝点!決勝進出を決めました。まさに「もっている男」!!
 2016シーズンの主戦場はU-23でしたが、2017シーズンはリーグ戦とカップ戦をターンオーバーで戦う尹晶煥監督の下、当初は「ルヴァン組」の主軸として活躍。徐々に信頼を得ていきます。リーグ戦第4節・鳥栖戦 では、試合の立ち上がりすぐに負傷した山下達也選手に替わって急きょ途中出場。完封勝利に貢献しました。つづく第5節・横浜FM戦 では、ルヴァンカップ初戦と同じ相手に今度はJ1リーグ戦初得点を決めました。
「自信になった」と話すのが、第6節・鹿島戦 。「あのスタジアムで、常勝軍団と呼ばれるチームに勝利できたことが、たくさんある思い出の試合の中でいちばん印象深いですね」と話すように、のちに繰り広げる厳しい上位争いのなかで、スタメンに君臨する糧となったようです。
 もう1つ、印象に残っている試合に挙げたのは第21節・清水戦 。前半に自らのゴールなどで2点先制したものの、後半に3失点して逆転負けした試合です。「負けた試合は絶対に忘れたくないんです。昔から、負けた試合から学べと指導者にも言われてきましたから」。常に満足することのないハングリーさを持ち、試合中のシステムチェンジにも与えられた役割をきっちり全うし、さらに要所では前に出て得点に絡む仕事もやってのける…。そんな大活躍だった2017シーズンは、もう終わり。試合数の多い2018シーズンは、中盤でも最終ラインでも与えられた役割をタフにプレーして。さらに成長した姿を見せてほしいですね。

ライターからひとこと

 サッカー漬けだったと思われる木本選手の2017年。休みの日にもU-23のJ3リーグを観戦したり、チームイベントに参加したり…。そして、7月にはルヴァンカップのノックアウトステージ組み合わせオープンドローに、チームを代表して出席。自らが引いたトーナメントを勝ち上がって優勝するという『持っている男』っぷりを証明しました。カップ戦は、チームの勢いを増す「ラッキーボーイ」がいるチームが強いもの。「ボーイ」と呼ぶには少し落ち着いて見えますが(失礼^^;;)、まちがいなくセレッソの「ラッキーボーイ」ならぬ「ラッキーパパ」は木本選手でした。「番記者座談会vol.4」では、私の2017シーズンMIPに推薦させてもらいました!
 対峙する相手FWにとって、センターバックに不精ひげでちょい怖そう(失礼^^;;)、粘り強くあきらめない守備で立ちはだかる木本選手は、絶対に嫌な存在だったと思います。センターバックを組むマテイ ヨニッチ選手からも「練習から声を掛け合ってプレーしているので、なんの問題もない。全てが頼もしい!試合ごとにコンビネーションも良くなっていった」と高評価。相方にも恵まれたようですね。

文・和田りつ子

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