各選手たちの1年を、番記者が思いを込めてつづった「選手別レビュー」。
新シーズンに向けての期待感とともに、お読みください!


丹野研太の2017年

 ルヴァンカップ準決勝第2戦 。宿敵・ガンバ大阪戦で、試合終了間際の木本恭生によるヘディングシュートでのゴールで、劇的な勝利を収めて初のファイナル進出を果たした。そのときピッチに立ち、自軍のゴールマウスに立っていたのがGK丹野研太だった。
「自分がセレッソに入ってからも、特にダービーは、アウェイで勝つことはほとんどなかった。ACLの1回くらいだと思いますが、そのときは自分はベンチ外でしたし…。だから、(ファイナル進出をかけた)そういう大事な局面でのダービーで勝てたことがすごく大きかった」
 そのG大阪戦を含めて、ルヴァンカップでは8試合に出場。また、J1リーグ戦で3試合、天皇杯でも4試合でゴールマウスを守り、その計15試合中無失点は9試合。守備陣をはじめとする全体の守備意識の向上もあったとはいえ、要所でのビッグセーブで何度もピンチを救う頼もしき27番が、2冠の原動力となったのは間違いない。
 ピッチ内では力強いコーチングでイレブンを常に引き締め、ピッチ外でも後輩を温かく見守りつつ、真面目にコツコツと、責任感をもってプロとしての姿を示す。2005年にプロ入り、セレッソ在籍は2017年で延べ11シーズンを数え、酒本憲幸、藤本康太とともにクラブの歴史を知る貴重な存在であり、今なお成長を続ける守護神。この2018シーズンも、桜が誇るGK丹野がいるからこそ、セレッソは堂々と戦える。

ライターからひとこと

 山村和也選手と同じく、真面目さというのが、その人となりにもすごく表れている丹野研太選手。取材時もいつも誠実にコメントを残してくれる姿が印象的です。
 田中裕介選手が、トップチームの全試合で登録メンバー入りしていたことは「2017年選手別レビュー」でご紹介しましたが、丹野選手も、J1リーグ戦第16節・ベガルタ仙台戦を除く試合で登録メンバー入り。ちなみに仙台戦の欠場は、中2日で迎えるルヴァンカップのプレーオフステージ第1戦、アウェイでの北海道コンサドーレ札幌戦に備えて、という事情もありました。リーグ戦では控えに回ることがほとんどでも、彼のようにひたむきに、献身的に、チームのために働ける選手がいることは、セレッソにとって相当心強いものがあったと思います。昨年にタフな日程が待っている2018シーズン、丹野選手がチームを救う機会はますます増えると思います。公私ともに厚い信頼関係のあるキム ジンヒョン選手とともにセレッソを最後方から支えていく27番に、今後も注目してほしいと思います。

文・前田敏勝

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