まいど!セレッソ~マイセレ~のオフ恒例企画「選手別レビュー」。
各選手の2018年がどんな1年だったのか、番記者・小田尚史さんが綴ります。


木本恭生の2018年

 自身初のJ1ながら、ルヴァンカップで頭角を現し、リーグ戦でも主力を張るようになった2017年。攻守における大活躍で2冠獲得の立役者になった昨季に比べると、プロ3年目の今季は右肩上がりの成長曲線こそ描くことはできなかったが、出場した試合では安定したプレーも見せた。センターバックの一角として開幕スタメン 、リーグ序盤戦はレギュラーを掴んだが、第9節・ガンバ大阪戦 を前にした練習中に左ハムストリングを損傷。戦線離脱を余儀なくされた。ワールドカップ中断明けは再び先発に返り咲くと、システムを3バックにした第21節 からは、ビルドアップの局面で足元の技術の高さを遺憾なく発揮。鋭い縦パスで攻撃にスイッチを入れれば、意表を突いた攻撃参加で相手守備陣に風穴を開けた。
 印象的なシーンは、自身の攻撃参加でディフェンスを引き付け、ソウザのゴールをアシストした第22節・清水エスパルス戦 の2点目だろう。4バックに戻った第30節 からはスタメンを山下達也に譲るも、最終節 は練習からアピールして先発を掴む。そして1-1で迎えた61分、松田陸のクロスにヘディングで合わせ、清武弘嗣の逆転ゴールにつなげた。
 昨季の印象的な活躍を含め、尹晶煥監督に見出された1人と言えるだろう。

ライターからひとこと

 大学卒2年目で初々しさも残った昨季。自身も驚く活躍で、プロサッカー選手としての評価を一気に高めた木本恭生選手。「J1で使ってもらった尹さんには、感謝しています。練習で気を抜いたら試合にも使われず、しっかりやっていれば使ってもらえた」と、今季限りで去り行く指揮官に感謝の気持ちを述べていました。その上で、「昨季のような結果を出せなかったのは、自分の責任もあると思うので、悔しい気持ちもあります」と今季について振り返っています。
 プロの世界の魅力と厳しさ。この2年間で最も多くのものを得たのは、もしかしたら彼かもしれません。センターバックにボランチ、守備だけではなく攻撃でも貢献できるクレバーな選手。来季以降、もっともっと化けてほしい1人です。

文・小田尚史

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