まいど!セレッソ~マイセレ~のオフ恒例企画「選手別レビュー」。
各選手の2018年がどんな1年だったのか、番記者・小田尚史さんが綴ります。


柿谷曜一朗の2018年

「いいシーズン、そうではないシーズン、いろいろあるかもしれないけど、どんなシーズンであっても、一貫して戦えるクラブを目指していきたい。ちょっと勝てなかったりすると、途端に自信をなくしてしまうのではなく、クラブとして、いい意味での余裕を持って、勝ち癖のあるチームになっていきたい」
 2018年の開幕直後、目指す理想のクラブ像について、こう話していた柿谷曜一朗。個人としても、「自分の言葉が届くように、自分を証明するためには、結果を出すしかない」と並々ならぬ決意を明かしていた。
 迎えた横浜F・マリノスとのJ1リーグ開幕戦 。柿谷は、開始早々ゴールネットを揺らしてみせる。チームとしても鮮やかなパスワークで横浜FMのディフェンスラインを攻略したのだが、無情にもオフサイドの判定でノーゴールに。映像ではオンサイドにも見えただけに惜しまれる結果となった。それでも、1点ビハインドで迎えた86分、ゴール前でこぼれ球に反応して同点弾を叩き込み、開幕黒星を免れた。すると、続く第2節・北海道コンサドーレ札幌戦 、第6節・サガン鳥栖戦 でもゴール。6試合で3得点と上々のスタートを切った。第13節のV・ファーレン長崎戦 では、“これぞ柿谷”と呼べる鮮やかなフェイントからゴールを陥れるシーンもあった。
 ただ、ワールドカップによる中断明け、天皇杯3回戦・ツエーゲン金沢戦 の試合中に右内転筋を負傷。その後のリーグ戦を3試合欠場すると、先発復帰した第19節・ヴィッセル神戸戦 で同じ箇所を痛め、再び戦列を離れてしまった。第25節・浦和レッズ戦 で復帰し、「キンチョウスタジアム ラストの一戦」と銘打たれた第26節・ジュビロ磐田戦 では先発フル出場を果たすも、無得点。結局、前述の長崎戦を最後に公式戦で得点は生まれず、悔しさの残るシーズンとなってしまった。19シーズン、巻き返しを誓う。

ライターからひとこと

 FCバーゼル(スイス)からセレッソ大阪に復帰した16年のJ2リーグ最終節。運命のJ1昇格プレーオフに臨むにあたり、ホーム最終戦セレモニーとして行われた柿谷選手のスピーチ で、チームとサポーターは一体になりました。この事実一つとっても、セレッソにおいて柿谷選手の影響力は強く、その言動を周りの選手もよく見ています。
 迎える19シーズン、監督も替わり、主力選手の移籍という変革の渦中において、クラブを引っ張る真のリーダーシップを発揮してほしいと思います。ピッチ内でも、輝く柿谷選手の姿を見たいと思っているサポーターは多いでしょう。チームのために、持てる技術、メンタル、経験値、そのすべてを出し尽くし、勝利に貢献する姿に期待したいです。

文・小田尚史

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