まいど!セレッソ~マイセレ~のオフ恒例企画「選手別レビュー」。
各選手の2018年がどんな1年だったのか、番記者・小田尚史さんが綴ります。


高木俊幸の2018年

 浦和レッズから完全移籍で加入した2018年。「このチームには元気な人が多い(笑)」という始動日の第一声からセレッソ大阪での新たなキャリアが始まった。宮崎キャンプの練習試合でアピールに成功すると、川崎フロンターレとのFUJI XEROX SUPER CUP ではチームを勝利に導く決勝点。鮮烈なスタートを切った。
 シーズンに入っても、清武弘嗣、福満隆貴とケガ人が相次いだ左サイドMFで奮闘。第2節・北海道コンサドーレ札幌戦 で早くも移籍後初ゴールを決めると、第8節・FC東京戦 第15節・サンフレッチェ広島戦 と上位を相手に決勝点。その勝負強さが光った。ワールドカップによる中断明けも、第17節・浦和戦 では古巣からゴール。感情を爆発させ「喜び過ぎてしまった」と思わず本人も苦笑いを浮かべた。
 もっとも、シーズン中盤から終盤にかけては逸機も目立ち、「この試合のこの場面で決めていれば、というシーンも自分の中ではいくつかある。そこで自分が決めていれば、勝てた試合もあったと思う」と反省の弁を残した。第32節・川崎F戦 では、試合前のアップ中に右足のかかとを負傷。この試合を含めたラスト3試合はプレーできず、不完全燃焼でシーズンを終えたが、ドリブルの回数と成功率がチームでは群を抜くなど独力で局面を打開できる貴重な戦力として、チームに大いに貢献した1年となった。

ライターからひとこと

「もう1度、環境を変えてチャレンジしたかった。セレッソ大阪で成功を掴み取りたい」
 強い決意でピンクのユニフォームに袖を通した2018年。移籍に関しては、「最初から輪の中に飛び込んでいけるタイプではないので…」と若干の不安も抱えていた様子でしたが、福満隆貴や松田陸ら同い歳の選手の存在も助けになり、すんなりとチームに溶け込んだ印象です。
 1年を振り返って、「チームの結果が2017年より著しく落ちてしまったことは、新加入選手として責任を感じます」と重く受け止めつつ、「試合に多く出られて、結果もそれなりに出せたことは、少しは成長できたと思うし、自信にもなった。移籍して正解だったと思えるシーズンになりました」と一定の手応えも話していました。個人で打開できる力は唯一無二の武器。来季、さらなる飛躍を期待したい選手の1人です。

文・小田尚史

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