2015年の夏は忘れられないものになりそうだ。セレッソ大阪堺ガールズが、「第20回全日本女子ユース(U-15)サッカー選手権大会」の決勝に進出することが決まった。7月25日に開幕した、中学生年代の日本一を決める大会。舞台は、“ホーム”J-GREEN堺だ。1回戦から昨日の準決勝までをふり返ってみる。

 初戦の相手は、ジェフ千葉レディースRame。Jクラブのアカデミーチームで、関東第3代表の強豪。できればいきなり対戦したくはなかった相手だ。選手たちはそうとう緊張していたという。硬い試合になった。ボールを握られる時間が長かったが、先制ゴールはセレッソ。1年生の百濃実結香が、サイドバックからのボールを受けて角度のないところから意表を突くシュート。軽やかな動きからの鮮やかなゴールで、ペースをつかむことができた。終盤にはCKからこれも1年生の高和芹夏が、直接決めて突き放した。
レディースブログ「全日本女子ユース(U-15)1回戦!」

 2回戦(7月26日)のFC.フェルボール.MIMOSA戦は、セレッソが主導権を握った。前半に中村萌愛が2ゴール。後半には宮本春花がうまいボレーシュートを決め、中村もハットトリックとなる3得点目をあげて、4-0の快勝。3年生の選手が、うまさと強さと意地を見せつけた勝利だった。
レディースブログ「全日本女子ユース(U-15)2回戦!! 」

 1日空いて、7月28日は準々決勝。相手は、ここまで2試合連続でPK戦を制して勝ち上がってきた大宮FCエンジェルス05。守備の堅いチームという前評判通り、攻めても攻めてもゴールを割ることができなかった。0-0のままPK戦へ。選手は冷静だった。セレッソは4本のPKを決めて、4-2で勝利。ベスト4進出が決まった。
レディースブログ「全日本女子ユース(U-15)準々決勝!!」

 準決勝の相手は、アルビレックス新潟レディースU-15。トップチームはなでしこ1部でプレーする強豪。U-15も技術、戦術、フィジカルともに高いものがある。激戦になった。
まったくの互角で、どちらもゆずらない戦いが50分(30分ハーフ)まで続いた。試合を動かしたのは、1年生の右サイドバック、善積わらいの献身的なプレーだった。相手ディフェンスの一度のミスを見逃さず、無人のゴールにボールを押し込んだ。最後の笛までピンチが続く苦しい試合だったが、勝ち切った。史上初めての決勝進出である。
レディースブログ「全日本女子ユース(U-15)準決勝!!」

 決勝の相手はJFAアカデミー福島。準決勝を見る限り、これまでで最強の相手であることは間違いがない。「ここから急に強くなることはない。今までやってきたことをやろう」と、岡本三代監督は言う。
「さくらなでしこ」らしいプレーを、明日も。それが、未来につながっていく。

第20回全日本女子ユース(U-15)決勝
7月31日(金)12:00 KICK OFF/J-GREEN堺S1
vs JFAアカデミー福島
会場アクセス


文・横井素子
◆横井素子 プロフィール
奈良県奈良市生まれ。広告代理店勤務のあと、フリーランスの編集・ライターとしてセレッソ大阪の広報ツールの制作などに携わる。
1999~2000、2008~2011年はセレッソ大阪トップチーム広報担当、現在はセレッソ大阪堺レディース広報担当、セレッソ大阪公式ファンサイト編集責任者を務める。
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