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2015年は無敗の快進撃、5試合を残して優勝決定

 2015年のプレナスチャレンジリーグWESTでの勢いは止まらなかった。初戦から9連勝して迎えた第10節。相手は開幕戦と同じバニーズ京都SCだった。そのシーズンで初めて先制され、引いて守ってきた相手に苦しんだが、72分、林穂之香のパスを受けた宝田沙織が個人技からゴール。さらに83分には、林がループシュートを決めて逆転。じれずにねばり強く戦い10連勝。勝点30として残り5試合を残して早くも優勝を決めた。


10連勝で優勝決定。選手たちは指で「10」を作って喜び合った。

  勝てなかった前の2013年、2014年の2シーズンからすると、隔世の感がある快進撃だった。が、浮かれる者はいなかった。目標はもっと高いところにある――誰もがわかっていたからだ。

「追いついただけでなく逆転できたことは、ひとつ力が上がったかなと感じています。ただ、これで終わりではなく、浮かれないようブレーキをかけたいと思います。最後に笑えないと意味がない。プレーオフも含めて全部勝って、昇格できるように頑張ります」(竹花友也監督)

「優勝が決まってうれしいですが、失点するなど課題もあります。残り5試合も、プレーオフも最後まであきらめずにプレーして、1位で昇格できるよう頑張ります」(西田明華キャプテン)

 気持ちはすでに昇格を懸けたプレーオフに向かって高まっていた。リーグ戦の成績は、13勝2分、勝点41。45得点は他チームを圧倒していた。

 【その後】
 勝てる気がしなかった2年間のあとは、負ける気がしなかったシーズンになりました。リーグ戦の快進撃で、「このままの勢いで2部昇格間違いなし」のムードが漂ったのですが…。サッカーとは不思議なもので、プレーオフは波瀾万丈になりました。

 文・橫井素子