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2015プレーオフ初戦は「聖地」で

 2015年10月12日、2015プレナスチャレンジリーグ・プレーオフ第1節となる常盤木学園高等学校戦が開催された。会場はホーム・キンチョウスタジアム(当時)。男子のトップチームが数々の激闘を繰り広げ、歴史を紡いできた舞台である。

「常盤木はポテンシャルの高い、いい選手が集まっているチーム。簡単ではないが、チームとして戦うことで勝機を見つけたい」と、監督の竹花友也は意気込んだ。コンディションもよく準備も万端。憧れのピッチでの決戦に、選手のモチベーションも高まった。

 しかし10分、ゴール前で相手のシュートがセレッソDFの顔面にあたり、こぼれたところを押し込まれてリードを許すと、29分にもミスから2失点目。さらに前半のアディショナルタイムにはFKから3失点目。まさかの3失点で前半を終えた。
 後半も流れを変えることができず、反撃はキャプテン・西田明華による1ゴールのみ。意気込みがプレッシャーに変わったのか。800人を超えるサポーターが来場、圧倒的なホームの雰囲気になったことで、逆にのまれてしまったのか。結果は1-3、らしくない戦いに終始した。


プレーオフ第1節・常盤木学園高等学校戦は完敗。涙が止まらなかった。

 大事な初戦を落としたショックから、切り替えて次に臨めるか。第2戦の相手はレギュラーシーズンでも対戦した静岡産業大学磐田ボニータ。慣れ親しんだ南津守さくら公園での試合だったが、立ち上がりの動きは硬かった。
 何度かチャンスを逃した33分、GKのクリアボールが相手FWに渡る手痛いミスから失点。またしても…の嫌なムードは西田明華の同点弾で吹き飛ばした。後半、ミドルシュートを決められ再びリードされるが、すぐさま井上陽菜のゴールで追いつき、林穂之香が逆転ゴール。これで完全にリズムを取り戻し、西田、勝岡美結が追加点を上げて、5-2で勝ちきった。

【その後】
 聖地・キンチョウスタジアムでのプレーオフ初戦に、私たちスタッフもかなり気合を入れて臨んだ記憶があります。それだけに結果は衝撃でした。試合後、ピッチ脇で泣き崩れる選手たちを見たクラブオフィシャルカメラマンに、「この試合で終わりですか?」と小声で尋ねられたのも懐かしい思い出です。

文・橫井素子