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「育てる」と「結果」、両方を求められるレディース
セレッソ大阪堺レディースの特殊性は、アカデミーとトップチーム、両方の要素を併せ持つところにある。結果ではなく育成が優先されるアカデミー、結果を追求するトップチーム、その両方を求められている。監督(当時)の竹花友也はこう話す。
「そこが一番難しい。レディースを見るようになってから、ずっと思っています。選手たちにも話すんです。『メッチャ厳しいところにいるんやで、だから厳しいトレーニングをするんやで』って。育成と言いながら、やっている以上は勝たないといけないし、勝ちたいじゃないですか、選手も指導者も。結果として降格したりということがあるからつらいですけど、(レディースには)クラブハウスがあったり、グラウンドがあったり、いい部分もいっぱいある。結果が出たときにはいいこと、楽しいこともたくさんある」
選手を育ててチームを強くして、順調にカテゴリーをあげてきたレディース。
「アウェイに行ったり、いいスタジアムで試合ができたり、それはほかでは味わえない。特になでしこリーグ1部は全然違います。アウェイのスタジアムの雰囲気もいいですし、長野パルセイロのスタジアムは衝撃的でした。お客さんも多くて、声もよく響く。選手たちは圧倒されて、ちょっとのまれていましたけど(笑)。
(2017年の)なでしこ1部・2部入替戦のJ-GREEN堺(ホームゲーム)ではたくさん入ってもらったじゃないですか。メッチャ気持ちがよかったです。(2017年の)2部リーグカップ戦の決勝もそうですが、あの経験をしたら選手は頑張れると思います。でも言っているんですよ、やっぱり結果が出ないとお客さんは増えないし、いろいろなところに呼ばれない。お客さんを増やすのは自分らの実力もあるんやで、だからちょっとずつ勝っていかないといけないな、と話しています」(竹花)
2018年なでしこリーグ1部ホーム開幕戦。 J-GREEN堺S1は温かい声援に包まれた。
【その後】
レディースは、育成のチームであるとともに、日本女子サッカーのトップリーグに参加するチームでもあります。レディースがチャレンジリーグに参入した2013年からは、「育てる」と「結果」を両立させるシーズンを過ごしてきました。でも大人の選手(アマチュア選手)が増えてきたことで、育成型クラブとして選手を育て続けることに変わりないなかで、今後は少しずつ「結果」が前に出てくるのかなとも感じます。
文・横井素子