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「いつかきっとお前らの時代が来る」

  2013年のチャレンジリーグ挑戦、2016年のなでしこリーグ2部挑戦、そして2018年には1部への参戦。1段ずつ着実に、しかしスピードを持って駆け上がってきたセレッソ大阪堺レディース。時に涙しながらも、常に笑顔でキックオフを迎えては勝利を積み重ねてきた。サッカーに対するひたむきさや屈託のない明るさ、それはこれからも続いていくだろう。

 竹花友也(レディース監督・当時)が常々選手に言っている言葉は、「いつかきっとお前らの時代が来る」。「そういうモチベーションの上げ方は得意だということもありますが(笑)、本当にそう思っています。いつごろか?本音で言うと、2年か3年後、3期生たちが20歳を超えた頃には優勝争いができるのでは…」。

 究極の夢は、男女でリーグ優勝すること。自らもJリーガーとしてセレッソ大阪の創生期に在籍した経験を持つ竹花らしい言葉である。
「まずは優勝争いをして、おもしろかった!とお客さんに言ってもらえる試合をしたい。やっぱり攻撃的にいかないとダメですよ、どんどん人が後ろから上がって追い越してというサッカーをしないと。なでしこ1部でも半分以上はそういうサッカーではないですからね、それじゃあおもしろくないですもん」
 セレッソのDNAを持つ竹花としては、そこはゆずれないところであろう。おもしろいサッカーをして、勝つ。セレッソで育った選手だけで、勝つ。それがセレッソ大阪堺レディースのゆく道である。


これからも前を向いて歩いていこう!セレッソ大阪堺レディースをよろしくお願いします!
(写真は2018なでしこリーグ1部最終節、日テレ・ベレーザ戦終了後)

 【その後と、これからの「桜なでしこ物語」】
 この冊子の原稿を書いたのは、2018年の夏。当時の竹花監督が話した「あと2、3年でなでしこリーグ1部で優勝争いができるのでは」の時が少しずつ近づいています。2018年のなでしこリーグ1部初挑戦は、悔しい最下位での降格に終わりました。ほとんど勝利することができずダメージが大きいシーズンでしたが、得たものも大きかったと思います。

  2019年のなでしこリーグ2部は「1部昇格、次に昇格したときに1部で戦えるチームになる」を目標に戦いました。簡単ではありませんでしたが、AC長野パルセイロ・レディースとの入替戦を制して1部復帰を果たしました。

 迎える2020年、1部で戦えるチームになっているのか、2年前から成長した姿を見せることができるのか、期待が高まります。プロ化が構想されるなど、変化の兆しを見せる日本女子サッカーのなかで、セレッソ大阪のレディースチームはどんな進化を見せるのでしょうか…。

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  今年3月に連載をスタートした「桜なでしこ物語」は2010年のチーム発足から2018年までを綴りました。ここで第1章を終えたいと思います。この間、セレッソ大阪堺レディース、そしてガールズにたくさんの温かいご声援をいただき、ありがとうございます。マイセレのフォトコメントにお寄せいただいた温かい言葉の数々にも深く感謝いたします。ありがとうございました。

  ひとまずピリオドを打ちますが、近いうちに桜なでしこ物語・第2章をお届けできればと考えています。そこでは、桜なでしこ満開の様子が綴ることができますように…。これからもご声援、ご支援よろしくお願いいたします。

文・横井素子
第1章・完