セレッソでもう一度輝きたい、
そして昇格の喜びをみんなで味わいたい

関口訓充

 今シーズン移籍加入した関口訓充。かつてライバルチームで憎らしいほどの活躍を見せた彼は、今セレッソでなくてはならない大事な選手になった。攻守にわたる献身的な姿は、サポーターの心をすでにしっかりつかんでいる。
Vol.6【前編】よりつづく

■試合を見ていて感動するのは、最後まで落ちない関口選手の運動量です。
「実際は足がつりそうになっていますし、この間の試合(栃木戦)でも走っていて『ああもう少ししたらつるかな』というのは自分でもわかっていました。でも、そのなかで頑張ることで相手の攻撃を遅らせたりとか、自分が相手にされるといやだと思うことを自分が出ているうちはしっかり続けていけたらというのはあります」

8 /15 vs岐阜より

■栃木戦では、2トップとして玉田圭司選手と田代有三選手が前にいました。その2人とは、どんなことを心がけてプレーしていますか?
「有三さんは必ず制空権を取ってくれると思うので、有三さんが競るときは、裏に誰もいなかったら走ろう、というのはあります。玉さんだったら、少し引いてきてボールにプレーするので、自分はそのスペースを空けて、前に引っ張っていくというか、DFラインが落ちないような動きをしないといけないなと思っています。2人ともボールをキープできて、タメを作れるので、後ろの選手は上がりやすいです。ただ、今は出ていない選手でもいい選手はいますし、その選手の持ち味を出していければいいのかなと思います」

■次は首位・大宮との対戦です。どういう気持ちで臨みますか?
「勝点3を取って帰ってきたいという思いもありますし、そんな簡単に取れる相手ではないとも思います。相手は首位を走っていて、少し抜けているチームではありますが、決して自分たちが劣っているからとは思いません。ホント、気持ちの部分だと思います。勝つ力は自分たちにも十分あるし、勝てると思う。最後まで全力でいきたいなと思います」

■残り11試合と、だんだん試合が少なくなるなか、チームとして必要なものは? 
「メンタルが充実しているほうが、残り11試合で抜けてくると思いますね。できれば残り5試合というところで自動昇格圏内に入って、そのあとはいろいろ計算して戦えたらなと思います。なるべく早く自動昇格の位置を取れれば、メンタル的にも落ち着いて、逆に相手はプレッシャーを感じるはず。チャンスはあるし、可能性はある。頑張りたいです」

■ということは、次節(32節)からの5試合が特に大切になると?
「自分の中では、9月の残り3試合(9/20vs大宮、9/23vs水戸、9/27vs徳島)と10月の頭の福岡戦(10/4)が非常に大事になってくると思っています。まずはこの4試合で、一戦一戦を勝ちにつなげていかないといけないです」

■自身のコンディションはどうですか?
「ここまでシーズンが進んできて、痛いところがないということはないです。でも、それはどのチーム、どの選手も同じ。疲れがあるなかでどれだけやれるかが大事なので、気持ちの部分で折れないようにしないといけない。やり続けていくことによって、チームにとってプラスになっていくと思うので、頑張るしかないです」

■今年、関口選手があえてセレッソを移籍先に選んで、J1昇格にもう一度挑戦しようと思ったのはなぜですか?
「プロ1年目はJ2から始まって、自分の原点でもあったのがJ2です。浦和で苦しいシーズンを経験して、挫折して、なんでだろうという気持ちになったなかで、セレッソが声をかけてくれました。J2ということでとても悩みはしましたけれど、悪いチームではないと思ったこと、J1に上がった時に優勝争いができるチームだという思いもあったので、ここで1年間やり続けることによって、自分もまた成長できるかなという思いがありました。セレッソというチームで、もう一回輝きたい、頑張ろうと思いました。
仙台では昇格まで6年かかって、上がった時は試合後にみんな泣くくらいうれしかったんです。それをまた味わいたいというか、ほかの選手にも味わわせてやりたいなと思います」

構成・文 横井素子
インタビュー:9月15日