チームとして連動するところは、
もっと突き詰めていかないと

 実力、経験ともにチームNo.1のものを持つ玉田圭司。移籍1年目の今シーズンは、10ゴールをあげてチームの勝利に貢献中。ベテランらしい落ち着きと、第一線を走り続けてきたストライカーとしての熱い矜持で、チームを支えている。
※インタビューは9月16日に実施しました。


■9月13日の第31節・栃木戦(○4-1)は、玉田選手が2得点してチームも快勝。プレーしていて、どうでしたか?
「ある程度気持ちよくプレーができたし、結果も伴ってよかったなあと思います。でも、4-1と大勝のように見えますけど、点差ほど相手との差はなかったと感じました。そのあたりを、自分たちは突き詰めていかないといけないかなと思います」

■監督も、試合後の会見で「まだまだもの足りないと思える試合」と話していました。チームとしての課題ということですか?
「そうですね。攻撃も守備もそうなんですけど、もうちょっとチームとしてやることが連動したりとか、そういうところは考える部分はあると思います」

■そのへんが変わっていけば、目標にも近づく、と?
「そうですね。練習でできないものは試合でもできないと思うし、練習の積み重ねが大きくなって、チームの力になっていく。そういうことを続けていけるチームが、強いチームになっていくのかなと思います」

■攻撃でいうと、栃木戦のゴールはいずれもコンビネーションからのもので、見ごたえがありました。特に玉田選手の1点目は、パブロ選手のパスからの美しいゴールでした。 
「試合前に、パプロに『アシストしろよ』と言っといたんで(笑)。約束どおりしてくれたし、イメージの共有が自分はできてきたかなという感じがします」

■試合を見ていても、連動したりコンビで崩すということができてきた印象です。
「練習でその人その人の動きというものが見られるようになってきたし、自分のこともわかってきてくれていると思います。ゴールというのは1人でできるものじゃないんで、そういう細かいことができてきているのかなと感じますね」


7/12 vs札幌より パブロ選手と

■玉田選手が決めた4点目も、きれいに崩した見ていて楽しいゴールでした。
「やっぱり見に来てくれた人には喜んて帰ってもらいたいし、自分たちもやっていて楽しいサッカーにしたい。エンターテイメント性にあふれたサッカーというのが、よりお客さんを呼んでくれるのかなと思います。そういうところは自分たちの義務でもある。さらに続けていきたいなと思いますね」

■栃木戦の勝利で、今季初の3連勝。今までなかなかできなかった3連勝で、ホッとした気持ちはありますか?
「ホッとはしていないですけど(笑)。いままで、チームとして波があったと思うんですよ。それを修正していこうと自分も思っていて、3連勝がいいとは思っていないし、まだまだ上がある。止まらないでやっていきたいですし、チームとして上を目指していきたいですね」

■波があったというのは、どういうところが足りなかったと?
「相手あってのサッカーなんですけど、相手に合わせてしまっている部分もあったと思う。自分たちが主導権を握ってやるということをもっと意識してやっていけば、波は多少あっても、ゆるくなっていくのかなと思います」

■玉田選手は、開幕から先発出場しながら、途中ではサブにまわることもありました。ファン・サポーターからは「玉田選手が見たい」という声が聞かれましたが、ご自身ではどう気持ちの折り合いをつけていましたか? 
「そうですね…(苦笑)。自分が若ければ、気持ちを態度に出すというのもできたと思うんです。よくないことだけど。でも、自分も経験を積んできて、そこでブレてもしょうがないですし、それがそのときの現実だった。変えるには、練習から自分というものを、自分の存在というものを見せつけるしかない。サポーターにそう(玉田選手を見たいと)思ってもらえるのはうれしいですし、練習からそうしてきたことで、また試合に出ることができるようになったのかなと思いますね」

■ずっとトップでやり続けてきた自負があるからこその言葉ですね。
「もちろん出られないという状況に自分は納得してはいないですけど、俺がそういうことをしちゃうと、ね。チームとしてブレてしまうことがあるかな、と思って。自分で言うのもなんですけど、このチームだと影響力のあるほうだと思うので、自分が模範になっていかないとね」

Vol.7【後編】につづく

構成・文 横井素子
インタビュー:9月16日