南野選手に教えてもらった
「メンタルの強さ」

 17歳で日本からドイツに渡った丸岡満。2年間ボルシア・ドルトムントでプレーし、今シーズン復帰を果たした。U-18時代から慣れ親しんだ舞洲で、ブランクを感じさせない笑顔を見せる背番号13。ドイツでも抜群の順応力で環境に溶け込んでいたという彼の、新しい挑戦が始まっている。
Vol.15【前編】よりつづく


■ドイツにいた2年間、セレッソのことは見ていましたか?
「はい。いつも(香川)真司くんと一緒に見ていました。フォルラン選手やカカウ選手が来たりして大型補強されたり、J2に降格したり、去年のJ1昇格プレーオフでは福岡に最後に決められたり…全部見ていました。でも、悪い部分だけではなかったと思いました。この間に監督も代わりましたけど、もちろん監督は大事だと思いますが、やっぱり選手自身も大事だと思います。練習の雰囲気とか、若者がもっともっとチームを盛り上げないと、と思います。ベテランの選手が多いですが、遠慮しているようでは、たぶんダメやと思います。いい意味で若さを出していきたいです。今回、トップチームのタイキャンプに行くメンバーでは僕が一番年下ですが、遠慮することはないかなと思っています。ピッチ外の部分では日本の文化があるのでしっかり尊重したいですけど、サッカーの部分では全然遠慮する必要はないと思います。むしろ、若いから動いてくれという感じなので、動きたいです」

■全然物おじしない性格と聞きますが、「こんなことしたら嫌われるかな」などと思うことはないですか?
「全然ないです。そう思いながら接していたら失礼かなと思うので、本気でぶつかるというか、裏も表もなく、です。真司くんに対しても『自分・丸岡満』として接しました。真司くんも、『最初はびっくりした。なかなかこんなヤツおらんなと思った』と言っていました。『でも、それで距離も縮まったし、今こうやって一緒にやってるしな』って。ドルトムントでは真司くんにはお世話になっていましたし、セレッソで頑張って、いい報告をしたいです」

■昔からそんなに楽天的でしたか?
「いえ、前はメンタルの波が激しかったんです。いい時はいいけど、悪い時は…って感じで。南野(拓実)くんに教えてもらったんですよ、僕。ユース時代に落ち込んで暗い顔していたら、拓実くんがそっと近づいてきて、『どうしたん?』って。『最近、結果が出ていないです…』と言うと、『落ち込むのは悪いとは言わへんけど、落ち込んでも、正直何もないから、明日からまた切り替えてやったらいいんちゃうか。マイナスのこと考えても、何も起きへん。今日アカンかったら、明日頑張ろうっていうプラスの気持ちを持てば、気持ちよくやれるぞ、俺もそうやから』みたいに言われたんです。それから、今日悪くても明日良ければいいか、と考えられるようになりました。高2の時です。だから、高3になって、自らキャプテンになりたいと言いました。自分を追い込むために。でも、その気持ちの持ち方が、ドイツで最も活きたことでした。拓実くんもすごくメンタルが強いですよね。だから、今はダメやったとしても、何を言われても全然落ち込まないです」

■こういうプレーを見てほしい、というアピールポイントはありますか?
「ポジションは2列目です。ドルトムントでもずっと2列目で使ってもらっていたので、大熊(清)監督にも、『今年も2列目でよろしくお願いします!』と言いました。僕の背番号は13なので、ぜひ背番号8番のパスを受けて、点を決めたいです。セレッソの8番と13番、柿谷選手の8番と南野選手の13番のコンビネーションのように、自分も頑張りたいです」

■サポーターの皆さんへのメッセージを。
「サポーターの皆さんとは、これからシーズンを通して一緒に戦うことになります。誰が試合に出るかはまだわかりませんが、今年はサポーターとチームが一丸になってJ1に上がるということを目標に、ホームの応援、アウェイの応援を盛り上げていただいて、それに僕たちはしっかり応えたいと思います。僕たちが情けないプレーをしたら、そこはしっかりブーイングをしていただいて、皆さんとはホントにいい関係で、J1に上がれるよう頑張っていきたいです。僕はチームのために頑張って、自分のユニフォームを着て応援してくれるサポーターが1人でも増えるように、しっかりプレーします。僕のユニフォームを着たサポーターが1人でも多くスタジアムに来てくれる、というのが夢なんです。1年間、勝ち負けありますけど、1つでも多く勝ってJ1に行けるように頑張ります」

構成・文 横井素子
インタビュー:1月15日