チームは昨年末からオフに入り、各々の自主トレーニングを経て今年1月下旬に活動を再開した。
「ハードなトレーニングを続けてきましたが、開幕を前に疲労を考慮して少しペースを落としている状況です」と岡本監督は話す。
2017シーズン以来のなでしこ2部の戦い。2017年は12勝5分1敗の2位、リーグでは宝田沙織が22得点をあげて得点女王に輝くなど、攻守にわたって圧倒的な力を見せつけた。ちふれASエルフェン埼玉との入替戦を制して1部昇格を決めたことは記憶に新しい。
「今年はどこも戦力が上がっていますし、簡単ではないと思います。ちふれはかなり補強して、確実に昇格を狙っている印象です。ニッパツ横浜FCシーガルズも昨シーズンは入替戦に出場するなど、力をつけています。オルカ鴨川FCに(FIFAワールドカップ優勝メンバーでもある)近賀ゆかり選手が移籍するなど、なでしこジャパンを経験した選手が2部にも在籍するようになりました。一昨年のように勝ち続けるという状況にはならず、拮抗した戦いになると予想しています」(岡本監督)
「昨シーズンは、ゲームの中でうまくいかないときに自分たちで雰囲気を変えるということが、ゲーム前の準備も含めて足りなかったと感じています。そういう部分で選手の主体性を出して、勝ちたいけれどもその方法をどうしていいかわからないという状態から、なんとか自分たちで変えていけるようにと、ミーティングの都度、話をしています。
アカデミーで一貫して育成しているので、顔ぶれが変わらないという良さはありますが、逆に(変わらない分)慣れてきて要求し合わないとか、わかっているようで最後の大事なところを詰めきれないというところがあります。今年昇格するために、また来シーズン1部でやることを考えると、足りないところを変えていかなければと思います」
練習試合の後を含め、週2回程度のミーティングを行い、選手自らがプレーを振り返って意見を言えるような、意識を変える取り組みを続けている最中だという。
「情報量としては多いかもしれないけれど、知っているようでわかっていない細かいことが多かったりするので、選手たちは慣れていないかもしれないけれど、お互いに『ああしてほしい、こうしてほしい』と要求し合えるようになってほしい。それは、なでしこ1部の上位にいるチームは、しっかりやっているなと感じることなので。
上(レディース)も下(ガールズ)もずっといい環境でサッカーを続けてこられて、刺激や本当の意味での競争がほとんどなかった。危機感というか、もっとアラートにサッカーに取り組むということがちょっと不足しているなとは感じています」
目標はもちろん「1部復帰」と明確だ。
「昨年1部を経験したチームということで、2部の中では追いかけられる立場になります。相手もそういう見方をしますし、自分たちもそういう意識、プライドが出てくるかもしれません。そういうプレッシャーをはねのけつつ、結果を出さなければいけない…厳しいとは思いますが、選手たちも『1年で1部に戻りたい』と思っていますし、そこは明確に目標設定をして臨みたいと思います」
今年1月7日、全日本U-18女子サッカー選手権準優勝の記念撮影
最後に、応援してくださるサポーターの皆さんへ。
「皆さんに応援に来ていただくことが、本当に選手の力になります。スタジアムに来ていただけるとありがたいです。皆さんが見ていて楽しい、応援したくなるようなサッカーをしたいと思っています。勝ち負けはもちろんあるのですが、ひたむきにやるとか、最後まで走るとか、あきらめないというのが、セレッソ大阪堺レディースの特長であり、絶対に大事にしたいところ。そこだけはシーズンを通してエネルギッシュにやり続けて、皆さんに『また見に来たい』と思っていただけるような試合をしたいと思います。今シーズンも応援よろしくお願いします」
構成・文 横井素子
インタビュー:3月12日
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◆いよいよ2019シーズン開幕!
3月21日(木・祝)2019プレナスなでしこリーグ2部 第1節
セレッソ大阪堺レディース - 愛媛FCレディース (13:00KICK OFF/JG堺S1)
試合写真・コメントなど
◆今季日程
※ホームゲームは原則無料開催です。