4月5日(日)2015明治安田生命J2リーグ第6節
FC岐阜 vs セレッソ大阪 (13:00KICK OFF/長良川)
チケット
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 昨季の来場者数が前年比168%増という驚異の伸びを見せた岐阜。セレッソ戦もチケットの売れ行きは好調で、1万人以上の来場が予想されている。ちなみにこの日は岐阜県関市のサンクスマッチ。『J屈指のスタグル』とも言われる屋台村には、特産品のプリンや鰻などの美味も並ぶ予定だ。

 そんな注目を集める中でのセレッソ大阪戦だが、岐阜は満身創痍の状態でこの一戦を迎えようとしている。開幕から5試合で1勝4敗と、準備してきたアグレッシブなサッカーをなかなか出せず。第4節・金沢戦でまったく良いところなく0-2で完敗すると、続く第5節・大分戦も2-6の大敗。3連敗で最下位に転落してしまった。
しかし、まだ5試合。どこのクラブにも波があるもの。開幕前のプレシーズンマッチでは、J1の名古屋相手に見事な戦いを見せて3ゴールを奪っただけの力はあるのだ。だからこそ、チームは原点に帰ろうと、一体感を強めている。得点力不足にあえぐ中、ここまでチーム3得点のすべてを叩き出している難波宏明は、苦境下で迎えるセレッソ戦をこう捉えていた。
「状況を変えられるのは自分たちでしかない。それには、僕はこのセレッソ戦が一番だと思う。去年までJ1にいたチームだし、名古屋戦のようにもう一回チャレンジャー精神で臨める良い相手。むしろ、悪いときに一番良い相手が来たなと思ってやればいい。自分たちがやろうとしているサッカーを、勇気を持ってやりたい」

 とはいえ、セレッソの豪華絢爛な攻撃陣は誰もが知るところ。勇気と自信を持って前に出ていくためにも、まずは粘り強く戦い、無失点でゲームを進めたい。目の前の相手は強大だが、守備の要である元日本代表・高木和道も不動心でこの逆境を楽しもうとしている。
「あれだけのキャリアを持った選手たちがいる。フォルランとやるのも初めてだし、リーグ戦でワールドカップ得点王とやれることなんてない。楽しみですし、だからこそ、そういう選手に、そういうチームに勝ちたいです」
玉田圭司は、2008年の岡田ジャパンでともに日の丸を背負った仲。「良い選手。昔はもっと前に飛び出してきましたけど、引いてもプレーできるし、すごく技術がある」と警戒を忘れない。世界を知る攻撃陣と高木、そして最後尾に控えるGK川口能活のマッチアップは必見だ。

「セレッソはタレントもそろっているし、技術の高い選手も多い。そういうことを考えると差はあるのかもしれないけど、試合はチーム全体で補えるもの。ベテラン任せにせず、チームが一つになること。それしかない」と副キャプテン・髙地系治。攻撃をけん引する“岐阜の頭脳”に掛かる負担は大きいが、だからこそ一体感の重要性を強調する。

 大敗した大分戦後には、現状を不安視するサポーターから厳しい言葉が投げかけられた。これに対してラモス瑠偉監督は、翌2日の練習場でサポーターの代表者とお互いの立場から意見をぶつけ合った。共通するのは「勝ちたい」という思い。最後は「今は苦しいときですよ。サポーターも含めてみんなで力を合わせなきゃダメ」という指揮官の一言で、固い握手をかわした。

 3連敗&最下位で迎えるセレッソ戦。ラモス監督はこんな言葉でチームを鼓舞した。
「セレッソは優勝候補の1つだし、役者がそろってる。堂々と戦わないとダメ。すべては、それができるかどうか。ここが、本当に“男”を見せるところじゃないかな。サッカー選手じゃない。男だよ。プライドがあるんだったらここだよ」

文・村本裕太