4月11日(土)2015明治安田生命J2リーグ第7節
セレッソ大阪 vs ツエーゲン金沢 (16:00KICK OFF/金鳥スタ)
チケット
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 初めてのJ2で快進撃をみせている金沢。第2節・東京V戦で初勝利を挙げると第5節で初の連勝をマーク、前節・群馬戦で初の逆転勝ちを収め3連勝を飾った。セレッソと勝点12で並び、今回の初対決を迎える。勢いに乗る新顔がどんな戦いを見せるのか、セレッソのファン・サポーターも関心を寄せていることだろう。

 昨季のJ3では、8月・第21節から7連勝を含む13戦負けなし(12勝1分)で終えて初代王者に。主力選手がほぼ全員残って堅守速攻のスタイルを継続し、組織力を前面に押し出してJ2でも好ゲームを続けている。
フォーメーションは4-4-2で、自陣に整った守備ブロックを築く。センターバックの作田裕次と太田康介を中心に集中力が途切れることがない。開幕の大宮戦でも、許した決定機は後半41分の失点時だけだった。ボール奪取後はFW水永翔馬の高さ、清原翔平のスピードを生かしてスピーディーにゴールに迫る。これまで多くの新規参入クラブがJ2の壁にぶつかり得点不足に苦しんだが、開幕6戦で既に11ゴールを挙げており好調の要因になっている。
 武器となっているのが多彩なバリエーションを持つセットプレー。11得点のうちPKでの3点を含む8点がセットプレー絡みだ。清水などに在籍しJ1通算75試合出場のDF辻尾真二が第2節と前節にFKを直接ゴールに決めている。
 キャプテンでもある清原は、J2得点ランキング首位タイの5得点(うちPK3点)。裏への抜け出しやドリブルでの仕掛けでチャンスメイクし、シュートセンスにも優れる。自身も初めてのJ2であることをまったく感じさせない。清原だけでなく、ボランチの山藤健太、FW佐藤和弘も初体験のJ2で躍動している。クラブとともに晴れ舞台にはい上がってきた雑草集団が、スター選手に挑む構図も見どころのひとつといえよう。

 就任4年目の森下仁之監督は「まだJ2で戦えるとの確信を得てはいない」と慎重だが、勢いは感じざるを得ない。第5節・愛媛戦ではゴールデンウィークの連戦を見据えた試みとして若手3人(阿渡真也、ジャーン モーゼル、星野有亮)を初先発させたにもかかわらず3点を奪って快勝した。選手28人が開幕からほぼ離脱者なしでトレーニングを積めている状況も、組織と個人の心身の充実ぶりを象徴している。水永は「(自身が在籍しJリーグ初年の2013年に6位と健闘した)長崎の時と似た雰囲気を感じる」と話す。そして、「セレッソは強豪で個人能力の高い選手がそろっているが、みんなでカバーしながら粘り強く組織で戦う」と語った。
 地元・石川県白山市出身の作田は、星稜高校で本田圭佑の1学年下に当たる。「良いチーム状態でセレッソ戦を迎えられるので楽しみ。ゴールを見ずにシュートを打ってきたフォルラン選手の千葉戦のゴールには驚いた。僕が対応していてもトラップを予測してやられていただろう。セレッソにはすばらしい選手がそろっているが、これまでやってきたものをぶつけたい」と意気込んでいる。

文・赤壁逸朗