6月6日(土)2015明治安田生命J2リーグ第17節
セレッソ大阪 vs 愛媛FC (15:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
----------

 前節、ホームでの横浜FC戦で3-0の快勝を遂げ、愛媛は勢いに乗って敵地・ヤンマースタジアム長居に乗り込む。
 ここまで愛媛の選手たちは木山隆之監督がタクトを取るパスサッカーに自信を持ちつつも、試合ごとに大きく異なるメンタル面を見せるなど安定感を欠くシーズンを過ごしてきた。そんなチームにいま最も必要なものは、メンタル面を前向きに押し出してくれる“勢い”である。対峙する相手が強敵・セレッソ大阪であれば、それはなおさらのことだ。そういう意味では、前節で今季一番の完勝劇を演じたことは、選手たちにとってなによりのプラス材料になっただろう。

 愛媛とセレッソの戦力差は比べるまでもない。「個の能力が高く、強いチーム」(児玉剛)と、その差は選手たちも認めるところ。しかし、戦力的に劣るチームの大きな武器になるのは“大物食い”をしてやろうとギラつくモチベーションの高さだ。愛媛はこれを武器に毎シーズンのようにJ1昇格チームに対してジャイアントキリングを繰り返してきた。昨季は湘南ベルマーレの開幕からの連勝記録をストップし、一昨季もガンバ大阪にアウェイの地で勝利。いずれもJ2リーグで圧倒的な強さを見せたチームをシャットアウト(1-0)で退けており、今季第8節においても当時首位を走っていた千葉を一蹴した(1-0)。
 相手が強ければ強いほど燃える。それが愛媛というチームなのだ。それらを考えれば、J1級の戦力を揃えるセレッソであっても愛媛を侮ることはできないはずである。

 今季、愛媛は新指揮官として木山監督が就任し、昨季まで積み上げてきたボールを大事にするパスサッカーを踏襲しつつも、ダイレクトにゴールへと向かう攻撃性を養ってきた。開幕当初はやや得点力不足を感じさせるところもあったが、試合を重ねるごとに攻撃面の連係も高まってきた。その得点源となるのは前線で1トップ2シャドーを形成する西田剛、河原和寿、瀬沼優司の3人。西田、河原は昨季2ケタゴールを記録し、新加入の瀬沼もそれに匹敵するポテンシャルを備える。愛媛が勝利するためには彼らの躍動は必要不可欠となる。
 また、それに加えて現在絶好調なのが左ウイングバックの三原向平。大胆にサイドからスペースを突く動きはチームに推進力をもたらし、今節においても「4バックのチームはサイドが空いてくる」(三原)と分析しているだけに、左サイドでの攻防も試合の見どころになりそうだ。

「力のある相手とアウェイで戦って、もし勝つことができれば得るものは非常に大きい」。木山監督がそう話すように愛媛からすれば負けて失うものよりも勝って得るもののほうが遥かに大きい。だからこそ愛媛の選手たちは勝点3を持ち帰るためにセレッソに対して前のめりでブチ当たっていくはずだ。

文・松本隆志

プレビュー:「ホームは絶対に勝たなあかんところ」。4試合ぶりの勝利を目指す