7月8日(水)2015明治安田生命J2リーグ第22節
横浜FC vs セレッソ大阪 (19:00KICK OFF/ニッパツ)
試合写真・コメントなど チケット
----------

 横浜FCは今季から新監督が就任し、どんなサッカーを見せるかシーズン前から注目が集まっていた。シーズン前のキャンプや、トレーニングマッチではなかなか思うように結果が出ず、不安視する声も少なくなかったものの、開幕の群馬戦をアウェイで見事白星を飾ると、そのまま良い形でミロシュ ルス監督の「規律を重んじる」サッカーが、チーム内に徐々に浸透。前節の第21節の札幌戦を終え、8勝7分6敗の9位でJ2リーグを折り返した。
 前半戦を「満足できる」と振り返ったミロシュ監督。「特別悪かったという試合もなかったし、競争力を持ってプレーを作り上げてこられている」(ミロシュ監督)と、その理由を挙げた。

 前半戦のセレッソ大阪との対戦は、3月29日行われた第4節。横浜FCは後半に2点を失い、そのまま悔しい敗戦となったが、「同じ相手に2度負けるわけにはいかない」と選手たち。今節は前回の悔しさをしっかりと晴らしたいところだ。ここまでの総失点数が27リーグワースト7位タイ、失点の多さが若干気になる今季だが、ここ2節は無失点で試合を終えることができている。
 得点力に関しても、総得点22とセレッソとは10点差。爆発的な力を備えているわけではないものの、大久保哲哉の6得点を筆頭に、中盤や最終ラインの選手たちまでチーム内でまんべんなく多くの選手が得点を挙げていることも特長の1つ。 全員でボールを繋ぎながら、セレッソの守備をこじ開けたい。

 平均年齢もやや高いだけに、連戦になれば疲労などを考慮して「チーム全員」の力が問われることになるが、メンバー以外の選手たちも日々のトレーニングを精力的にこなしており、今季ここまでを見てもどの選手が出ても変わらないチーム力はしっかり備えている。チームスローガンでもある「fight together」のとおり、チーム一丸となって戦う姿を見せてきた。

 ただ、その中でも、やはり三浦知良の存在はチームにとって大きい。「カズさんがベンチにいてくれるだけで、雰囲気が変わる」と選手たち。ケガから復帰後の初戦となった第20節・水戸戦では78分からピッチに入ると、わずかな出場時間の中で後半アディショナルタイムに劇的な決勝弾を叩き込み、チームに勝利を呼び込んだ。また自身の持つJリーグ最年長ゴール記録も更新した。これで、今季3得点目。「(毎試合スタメンで出ていた)4月頃のコンディションに戻すには、まだ少し時間がかかる」(三浦知)としながらも、FWとしての嗅覚、そして試合終盤のわずかな出場時間だけでも結果を残せる決定力を改めて証明した。
 セレッソサポーターにはこの試合、改めて「カズ」のすごさに注目してほしい。

文・浅野有香