7月18日(土)2015明治安田生命J2リーグ第24節
京都サンガF.C. vs セレッソ大阪 (18:00KICK OFF/西京極)
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 第22節・徳島戦で敗れ18位に後退した京都は、監督交代に踏み切った。新監督はヘッドコーチを務めていた石丸清隆。2002年に背番号11を付けて京都を天皇杯優勝に導いた歴戦の男が、今度は京都を率いて上昇へ導くか。西京極での京阪ダービーで、その真価が問われる。

 ただ、第23節・長崎戦にも敗れて、現在3連敗中の20位。この状況での最重要課題は守備規律の徹底だ。ゴール前に簡単に侵入される守備に対し、新指揮官はゾーンディフェンスの考え方を説く。「先にマークに付くからスペースができる。ボールの移動中に(アプローチに)動けばやられない」。ゾーンディフェンスでは、ボールの動きに合わせてのプレス、味方同士の距離感を密にしたコンパクトさ、そしてラインコントロール、そこからボールが入った瞬間の反応がカギとなる。あとは「どこでボールに行くかが明確になれば…」と石丸監督。だが、現時点では課題のほうが多い。
「しんどくなったりすると以前に戻ってしまい、緩くなる。運動量を増やさないと…」と課題を炙り出し、「J2は走らないと難しい」と何度も口にした。
 京都の今後の道程は厳しく険しい。だがそれでも、今はやるしかない。駒井善成は「試合に出してもらって、責任を感じている。結果につながらず苦しい部分はある。でも自分を信じてハードワークしたい」と決意を新たにする。攻撃力のあるセレッソ大阪を相手に、どこまで食らいついていけるかが勝負どころとなるだろう。

 一方で、攻撃面では光明もある。第20節・金沢戦で、佐々木勇人が3点目を決めた場面。駒井がスペースに走り込みボールを受けると、佐々木もスペースに走る。金沢DFの枚数は揃っていたが、佐々木はシュートまで持ち込みゴールを決めている。ポイントは「スペースに対する感覚」だろう。DFはボールとマークを見る。そのために自分の背後のスペースを見切れない。そこに付け入るスキがあった。駒井は第21節・岡山戦でも、開始早々に大黒将志に決定的なラストパスを送っているが、このパスも足元ではなく前のスペースに出したもの。岡山DFは大黒の動きに振り回されていたが、それも大黒の走り込むスペースを抑えられなかったからだ。
 この、相手が感じていない位置へ走り込んだりボールを送ったりする極意を端的に表現したのは中村充孝(現鹿島)だった。「相手はこっちのボールを見ているが、こっちは相手のゴールを見ている。その時点で相手の逆を突いている」と…。ボールを見ている相手は自分自身の背後を見られない。そこを突くわけだ。駒井自身はこれらのプレーについて「スペースに走り込むことで味方が生きたりする。自分たちがアクションを起こすことが必要」と口にした。
 こうしたスペースを使うプレーは、ボールをつないでいる時もカウンターの時でも有効だ。特にロングカウンターでは効果は絶大となる。押し込まれた次の瞬間、京都の攻撃が爆発する可能性もある。あとは選手たちのポジティブな気持ち次第だ。積極的なトライを見せられるか、白熱した京阪ダービーに期待がかかる。

 また今節では、前座試合に「関西レジェンドマッチ2015」が予定されている(16:00キックオフ)。「京都サンガレジェンドvs関西レジェンド」のエキシビジョンマッチには、西沢明訓氏をはじめ、江添建次郎氏、米山大輔氏などセレッソゆかりの選手たちも参加予定。ぜひ、こちらもお楽しみに。

文・武田賢宗

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