7月22日(水)2015明治安田生命J2リーグ第25節
セレッソ大阪 vs ファジアーノ岡山 (19:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 ファジアーノ岡山は前節・徳島ヴォルティス戦、前々節・大宮アルディージャ戦を戦い、2試合連続で0-3というスコアで敗れた。今季の岡山は、昨季まで以上に守備的な堅さを保ってきたチームだった。リーグ前半戦で6敗しているが、2点差以上をつけられたゲームはなく、3失点・無得点が続いたことに対しては、選手たち自身も戸惑っている。キャプテンの岩政大樹が、「内容、結果ともに不甲斐なく、本当に申し訳なく思います」と頭を下げ、多くの選手が、「ハツラツとした、必死となったプレーを見せたいのに」と唇を噛む。徳島戦終了直後はそんな様子だった。

 今季のチームは、長澤徹監督体制の1年目だ。岩政、加地亮というベテラン選手も加入し、岡山がこれまで大切にし続けてきたハードワークと「勝つために踏まえるべきノウハウ」が融合するまでの過渡期にある。ここ5試合の内容を見ても、ムラが出ている印象だ。2勝1分2敗という戦績だが、攻守に強気に推し進められる時があり、妙にナイーブなところを露呈する時もある。一方で、戦術面でのアイデアには自在さがある。前節は後半、U-22代表としてもプレーするFW矢島慎也がボランチに入り、ケガから復帰した久保裕一が前線に片山瑛一と並んだことで、「うまく前を向いて、今までにないリズム感の中でサッカーができた」(伊藤大介)といったシーンも作り出せる。また今週、昨季までアルビレックス新潟でプレーしていた岡本英也が大分トリニータから期限付き移籍で加入し、前線に新たな戦力が加わっている。

 今回の対戦を「一番、楽しみにしていた」と話す選手がいる。セレッソ大阪のU-15、U-18に所属していた篠原弘次郎だ。24歳になったばかりの篠原は、扇原貴宏とは今も頻繁にLINEでやりとりする仲で、「プロになってリーグ戦で対戦するのは初めてなので、俺もやるぞというところを見せたい」と話す。開幕戦出場後、ケガのため約2カ月半離脱していたが、第20節・ギラヴァンツ北九州戦で復帰。最終ラインでの守備に貢献しながら、前線に上がって行く思いきりの良さがあり、第21節・京都サンガF.C.戦ではプロ初ゴールを決めている。98~99年、セレッソ大阪でプレーした加地が累積警告で出場停止となるのは残念だが、セレッソ大阪ユース出身の田所諒は、「最近、運動量で自分たちらしさを出しきることができていないので、とにかく90分間を走りきりたい。全員でこの状況を乗り越えたい」と話す。

 岡山にとってのゲームのポイントについては、加地の言葉をそのまま引用する。「個の能力の高い選手ばかりのチームを組織で抑え、組織で攻撃する。敵地でどれだけ自信を持って、気持ちよくできるか。メンタルです」。2連敗から奮い立ち、挑むしかない理想的な状況で、岡山は勝利だけを狙う。

文・尾原千明