8月23日(日)2015明治安田生命J2リーグ第30節
大分トリニータ - セレッソ大阪 (18:00KICK OFF/大銀ド)
試合写真・コメントなど チケット
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 7月を3勝2分1敗で勝点11を積み上げた大分トリニータだが、8月に入り1分2敗とペースダウン。順位も21位へダウンし、厳しい状況が続いている。結果が出ていたときは、相手の攻撃を辛抱してしのぎ、自分たちの時間帯に得点するという形ができていた。ここ数試合で苦戦している要因は、チームとして攻守の良いリズムを毎試合継続できないためだ。

 たとえば、DFのカバーリングやボランチ同士の連係、相手との距離感、サイドからの攻撃、プレッシング、ボールへのアプローチの甘さなど細部において修正できておらず、後半15分を過ぎると極端に運動量が落ちるのも改善できていない。さらに、前節の京都サンガF.C. 戦(●1-2)では、「後半になったら相手の足が止まると予想していたので、ボールをしっかり動かせばチャンスができるという話はしていた。その部分ではゲームプランどおりにいった」と敵将が明かしたとおりに相手の思惑にハマり、思うような試合運びをできないでいる。

 選手は「自分たちのサッカーができれば結果はついてくる」なんてセリフを口にするが、それができない、させてもらえないという現実を受け入れなければいけない時期になっている。現在の勝点をシビアに捉え、時間帯に応じて戦い方を変えながら、残留できるように勝点を手にしならなければいけない。リーグ戦も3分の2が終わり、各チームとの力関係がはっきりした以上、残りすべての試合に勝って上位を目指す、なんて言っても仕方ない。上位を叩くことができればいいが、まずは引き分けで良しとしなければならない。

 大分にとってはホームゲームだが、セレッソ大阪との一戦は“引き分けで良し”という試合だ。消極的だと非難されることもあるだろうが、戦い方を変えてでも、J2に生き残るためにとにかく確率が高いことをやるしかない。今節の大分は、守備的で武骨に『アンチ・フットボール』と言われる戦い方をするかもしれない。それだけ今のセレッソと大分には、強者と弱者と呼ばれるほどの差があるということだ。

 かつて、互いのチームから清武弘嗣や森島康仁ら選手が行き来していた頃が懐かしいが、もう昔を振り返ってもいられない。「負けないことが大事。勝点1でも、積み上げれば大きくなる」。為田大貴の言葉が今節の戦いを言い表している。

 文・柚野真也