9月20日(日)2015明治安田生命J2リーグ第32節
大宮アルディージャ - セレッソ大阪 (18:00KICK OFF/熊谷陸)
試合写真・コメントなど チケット
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 大宮アルディージャがセレッソ大阪をホームに迎える一戦は、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われる。熊谷開催は年に1度。昨季は渋谷洋樹監督就任後のリーグ初戦で鹿島アントラーズと戦い、2-1の勝利で勢いに乗った。大宮にとって縁起の良い場所だ。

 ただ、現状の大宮が良い状態にあるとは言いがたい。順位的には依然として首位を快走しているが、リーグ戦はここ3試合で1分2敗と未勝利。直近の2試合で大黒柱の家長昭博が出場停止だったことも痛手となっているものの、チーム全体として好調時よりもミスが多く、特に攻撃でリズムをつかめない試合が続いてしまっている。

 大型連勝を続けていたときは、攻撃戦術の核となる家長を中心に、新鋭ドリブラー・泉澤仁やチーム得点王のムルジャ(11得点)らが個性を発揮し、試合ごとにヒーローが生まれていた。それだけにセレッソ戦から家長の出場停止処分が明けることは朗報だが、軽度の負傷を抱えるため先発出場は微妙な状態。家長への負担・依存度を下げるためにも、攻撃陣の奮起が不可欠となる。
「FWとの関係性を良くしていきたい。前節の水戸戦(0-1で敗戦)は、あまり良くなかった。感覚的な部分は試合をやっていくしかない。やりやすいのはアキさん(家長)だけど、いないときにどうするかは課題」。そう語るのは家長との抜群のコンビネーションで数々の決定機を創出してきた泉澤。感覚をつかんで連動性を生み出すことができれば、全員が互いを生かし合う攻撃が復活するはずだ。

 リーグ戦全試合フルタイム出場を続ける守護神・加藤順大も、停滞から抜け出そうとする攻撃陣を後方から鼓舞する。
「後ろが我慢して守ってあげることは大事。攻撃陣に対しての文句はまったくない。これまでもずっと助けてもらった。ちょっと調子が悪いと言われるかもしれないけど、早く戻ってほしいなと。『後ろは変わらず守るから、頼むよ』という感じ。焦りとかはない」
 チームワークの良さは、今季の大宮が持つ強みの1つ。最後尾から最前線までが意識を共有し、課題解決によって勝利をつかもうと邁進している。

 もちろん、このタイミングで調子を上げてきた強敵・セレッソと当たることに難しさはある。2013年までセレッソに在籍した横山知伸は、当時からセレッソの選手たちの実力を肌で感じてきただけに、言葉にも実感がこもる。
「セレッソは良い選手がそろっているし、一緒にやっていても、個々の能力が高いなと思っていた。夏にまた(選手が)増えてきた。層は厚いし、あのメンバーでうまくやっていれば普通に勝てるだろうなと客観的に思っていた」

 ただ、大宮にとってはチャンスでもある。ここで内容・結果の伴った試合を見せることができれば、シーズン終盤に向けて最高のリスタートにもなるからだ。
「いまのセレッソはメンバーが固まってきて、一番良い時期にある。逆にそれくらいのチームとやって、思い切って自分たちの守備をして、攻撃のところでもやっていく」(渋谷監督)
 今季の大宮のスローガンは“挑む”。逆境も難敵も覚悟の上。首位のプライドとチャレンジ精神を持って、上位決戦に挑んでいく。

文・ 片村光博

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