9月23日(水)2015明治安田生命J2リーグ第33節
セレッソ大阪 - 水戸ホーリーホック (17:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 セレッソよりも先に、第30節で首位・大宮アルディージャを撃破している水戸ホーリーホック。このことが示すように、水戸は18位に低迷しながらもリーグ終盤に向けて着実に力をつけている。チームにプラスアルファを加えているのが、U-22日本代表FWの鈴木武蔵とU-22韓国代表DFの宋株薫(ソン・ ジュフン)だ。

 圧倒的なパワーとスピードを駆使して相手の守備陣をかき回す鈴木武蔵が加わったことにより、攻撃力は向上。かつてないほどの破壊力を見せている。大宮戦の決勝ゴールは、GKからパスをつないで相手の守備を崩して決めたもの。カウンターでもポゼッションでも相手の守備を崩せる自信をつかんでいる。前節・栃木戦で負傷し、今節の出場は微妙な状況だが、もし出場できれば、セレッソ大阪DFの脅威となることは間違いない。
 また、宋株薫の存在も大きい。190cmの高さとフィジカルの強さを生かしてゴール前で攻撃を跳ね返す。そして、抜群のスピードも備えており、DFライン裏のスペースもカバーすることができる。万能型センターバックの彼の加入により、守備が安定することとなった。
 これまで積み上げてきたアグレッシブなサッカーに、新たに攻守の柱ができたことによって、チームは進化を示して大宮撃破に至った。1-1のドローに終わった前回(第18節)対戦時よりも確実にチーム力は向上している。セレッソは、下位相手と思って気を抜かないほうがいい。

 セレッソはJ1自動昇格に向けて、今節で5連勝を挙げてさらに勢いづけたところだろう。ただ、水戸も絶対に負けられない一戦である。現在、最下位大分と勝点差は6。J2・J3入れ替え戦圏である21位の栃木との勝点差は4と、J2残留のために負けられない試合が続いている。相手が上位だろうと関係なく、勝点を手にしなければならないのである。セレッソ以上のモチベーションで、この一戦に乗り込むこととなる。

 展開としてはセレッソに押し込まれる時間が長くなることが予想される。ただ、そこで発揮したいのが「水戸らしさ」。つまり「粘り強く戦う」ことである。押し込まれながらも焦れることなく試合を進め、そして鋭いカウンターからゴールを狙う。自分たちから隙を作らないことが勝利の条件となる。隙を作らず、隙を突く。リーグ終盤に向けて、チームが掲げる戦いを体現して勝点3を目指す。大宮戦の勝利が偶然ではなかったことを示すために、すべてをぶつけて勝利をつかみに行く。

 文・佐藤拓也