9月27日(日)2015明治安田生命J2リーグ第34節
徳島ヴォルティス - セレッソ大阪 (16:00KICK OFF/鳴門大塚)
試合写真・コメントなど チケット
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 今季1巡目の対戦(第19節/キンチョウスタジアム)、徳島ヴォルティスは0-1で敗れたが、客観的に見てセレッソ大阪との実力差はそのスコアのようなものではなかった。個の部分でも組織面でもレベルの違いは明らかで、まともな形を作る攻撃も、セレッソに手を焼かせる守備もほとんどできなかったと言わざるを得ないだろう。今改めて振り返っても、徳島にとってその一戦が攻守両面の未熟さを痛感させられた90分であったのは間違いない。

 しかし、そこで味わった悔しさを糧に、それからの徳島は変化を見せた。自分たちのサッカーの基盤である守備に対してそれまで以上に厳しく取り組み、チームは急速に守備力を向上。さらには安定感も高めたのである。結果、今季後半戦・第22~前節までの12戦では9試合で相手を完封(7勝2分3敗)。複数失点を喫したのは第30節・磐田戦(3失点)だけと、選手たちは自らの成長を目に見える形で表し続けている。

 となれば迎えるセレッソとの再戦、やはり徳島としてはアップさせたその守備力をベースにした戦いで勝機を見出したい。石井秀典、福元洋平のセンターバックコンビを中心にしっかりとブロックを敷き、まずはとにかくセレッソのアタックを粘り強く凌いでいくことでゲームの流れを引き寄せたいところだ。もちろん、山口蛍やパブロ、関口訓充やエジミウソンといった個の能力の非常に高いタレントがズラリ揃っていることから、セレッソの仕掛けを繰り返しストップするのは容易なことでない。だが、先制点を奪われるようなら状況は非常に厳しくなる。徳島はなんとしても得点を与えない展開を我慢強く続けていかなくては。 
 そして、そうしたなかで掴んだ好機を、確率高く決め切れれば白星も見えてくるはず。ゴール前で変化の出せる木村祐志が戦線離脱中とあって、遅攻によりセレッソの守備網を崩すのは難しいだろうが、「いつでもセレッソとの対戦は楽しみ」と語るボランチ濱田武のフィードと津田知宏や佐藤晃大の飛び出しによるカウンター的な攻めならきっと可能性はある。それだけに徳島はそうした形で仕留めることが今節の大きな狙いとなろう。

 徳島は現在11位で勝点42、目指すJ1昇格プレーオフ圏内(6位・愛媛/勝点52)まで、まだ10差ある。それを考えれば、強敵・セレッソとの対戦であってもチームに必要なのは勝点3の積み上げ。引き分けも許されない。選手たちは闘志をよりいっそう燃やして、この決戦に挑もうとしている。

文・松下英樹

プレビュー:連勝が4でストップした前節。攻守で出た課題を見つめ、今節を再び勝点3を積み重ね続ける第一歩に 
試合前日の監督・選手コメント