3月6日(日)2016明治安田生命J2リーグ第2節
水戸ホーリーホック - セレッソ大阪 (13:00KICK OFF/Ksスタ)
試合写真・コメントなど チケット
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「因縁を感じた」。ホーム開幕戦でセレッソ大阪と対戦することが決まった時、水戸ホーリーホック・西ヶ谷隆之監督はそう思ったという。昨季第17節終了後に柱谷哲二前監督が解任。当時ヘッドコーチだった西ヶ谷監督が第18節から急遽指揮を執ることとなったが、初戦の相手こそがセレッソであった。「もう一度、原点に戻って戦えということだと思う」と西ヶ谷監督は自らに言い聞かせるように口にした。

 その対戦ではチームを立て直すために、ベースである攻守における「前」への意識を強めて試合に挑んだ。1-1のドロー に終わったものの、J1昇格候補のセレッソ相手に終始押し気味に試合を進めることができ、選手たちは自信を取り戻すことができた。昨季J2残留を果たした水戸のターニングポイントとなった一戦であった。

 昨季に引き続き、西ヶ谷監督が指揮を執る今季の水戸。大幅にメンバーが入れ替わることとなったが、戦いのベースは変わっていない。開幕前の練習試合から一貫して「前」を強く意識したサッカーを植え付けてきた。強豪セレッソを迎える今節もやるべきことは変わらない。あくまでアグレッシブに向かっていく。

 西ヶ谷監督は昨季の対戦を「キム ジンヒョン選手(韓国代表で遠征中)と、柿谷(曜一朗)選手はいなかった」と振り返り、「今季のほうがチーム力は上」と警戒を強めている。
 今節、セレッソを最も苦しめるのは、水戸が抱く危機感だろう。昨季の水戸は過去最低の19位に沈み、残留争いに巻き込まれる苦しいシーズンを送った。戦いの中で感じ取ったのが、「1点の重み」と「1勝の重み」である。今季の水戸は目標として具体的な順位を掲げていない。「とにかく目の前の試合に勝つことに集中することにこだわる」(西ヶ谷監督)ことが今季の水戸のスタンスである。

 それを示したのが開幕戦であった。アウェイの地で京都相手に先制されながらも同点に追いつき、勝点1を手に入れた。内容は決して満足できるものではなかった。それでもしっかり勝点を取って帰ってくるところが昨季との違いと言える。今節もセレッソに苦しめられることだろう。だが、水戸が屈することはない。粘り強く戦い、ボールを奪ったら徹底的に「前」に出て行く。それを繰り返して、勝機を見出す。すべては勝利のために、持っているすべての力を出し尽くす。

文・佐藤拓也

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