3月26日(土)2016明治安田生命J2リーグ第5節
セレッソ大阪 - ツエーゲン金沢 (16:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 2点取られてから本気出す――。そんな試合が続いている。
 金沢は本来、守備から試合に入り、無失点で試合を進めて相手の焦りを誘い、そこに生じる一瞬のスキを突くチームのはず。しかし、長崎戦(第1節)、群馬戦(第2節)、町田戦(第4節)の3試合は、相手に2点を先行され、そこから1点を返すという展開だった。

 前節の町田戦は、「チーム全体として試合の入り方の意識が、攻撃でも守備でも消極的なプレーになっていた」(安柄俊)、「入りが悪い。前半に失点するとプランが崩れてしまう」(大槻優平)、「いつも繰り返してしまっている。前半はエンジンがかかっていない」(作田裕次)。選手たちはスイッチの入りが遅かったことを反省点に挙げた。
 チームの共通認識「前半は失点ゼロ」をピッチで表現する際、どうしても守りの意識が過剰に働き、受け身になり過ぎる。町田戦に関しては、攻守においてチーム内で意思統一が図れておらず、修正する前に2点を奪われた。また、「スペースが広すぎたこともあるが、球際に行く気持ちが弱かった。セカンドボールは大事だと全員が認識しておかないといけない」(可児壮隆)。

 4戦を終えて1分3敗の最下位タイ。5戦目の相手はセレッソ大阪。「今年のセレッソは堅そうで安定しているし、4連勝している。昨年とは全然違うイメージがある。外国籍選手も良さそう」(作田裕次)、「いま首位のかなり手強い相手。ただ、ここまでの4試合で自分たちの修正すべき点がハッキリ見えている。しっかり見直して、セレッソ戦の結果に繋がればすごく自信になる」(安柄俊)。自分たちの課題を見つめ直し、それを思い切ってセレッソにぶつけるしかないと選手たちは腹をくくっている。
「セレッソが相手というだけでモチベーションは上がる。昨年2勝しているので苦手意識もない。セレッソに勝てたら自信にもなる。ここまできたら、どれだけがむしゃらにやれるか。簡単にやられるとズルズルいくような気がする。ここで流れを止めないと危ない」(大槻優平)という危機感もある。

 多くの選手が入れ替わった今季。新加入選手のポテンシャルは高いが、チームはまだまだ発展途上で連携不足も否めない。とはいえ本来の”金沢らしさ”が失われては元も子もない。90分間を泥臭く、ひたむきに戦う。切り替えは速く、球際には強く。
「僕らは失うものがない挑戦者。一番下なので、ここから這い上がるしかない」(水永翔馬)。チャレンジ精神が試される一戦だ。

文・野中拓也