6月4日(土)2016明治安田生命J2リーグ第16節
セレッソ大阪 - カマタマーレ讃岐 (16:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 開幕から3勝1分とスタートダッシュに成功して、現在勝点18で12位の讃岐。だが、ここ8試合は5分3敗と勝利に見放されている。特に試合内容が悪いわけではないが、失点シーンを振り返ると単純なミスが原因になっていることもあり、90分プラスアルファの時間を集中して戦う難しさを選手たちは感じているだろう。前節・水戸戦を振り返れば、59分に今季大分から加入したDF西弘則の移籍後初ゴールで先制。だが、その後はMF仲間隼斗とFW木島徹也が相手GKとの1対1を決められず。逆に、残り時間のほとんどない後半アディショナルタイム90+2分に、相手ロングスローからゴール前中央でフリーになった途中出場の水戸MF湯澤洋介に同点ゴールを決められ、なんとももったいない試合となった。

 就任7年目となる北野誠監督は、セレッソ戦について「選手とのミーティングでも話したけれど、躍動感のあるサッカーをしたい。コンパクトにラインを高く保って、パスを回すだけじゃなくてランニングを何度も繰り返す。自信を持って、そういう事をやってくれ、と。セレッソは個の能力がある選手たちばかりなので、引いて守りばかりだと90分あればどこかでこじ開けられてしまうと思う。山口戦 を参考に、自分たちから仕掛けていきたい。2点取られても3点取るぞという意気込みで挑みたい」。

 今シーズン副キャプテンとなってチームを引っ張るセレッソのアカデミー(U-15、U-18)出身の岡村和哉は、「セレッソは強いし、ユース時代に一緒だった選手や知り合いもいるので、しっかりやりたい。ヤンマースタジアムで試合をしたことはないけど、ユースの時にボールボーイをしていて、『いつかここで試合をしたい』というのが中学、高校時代の夢だった。それが実現してうれしい」と、当時を振り返ってくれた。
 柿谷曜一朗については、「攻撃だけではなく守備もこなして、世界でも活躍できる選手だと思う。対戦できるのがとても楽しみです」そう話す岡村の表情は、憧れた舞台にプロ選手として立てる喜びがあふれていた。 

 この試合は、讃岐にとってJ100試合目となるメモリアルゲームでもある。千載一遇のチャンスを活かして手に入れたJ2の舞台。香川県出身の10番・高木和正は「これまで讃岐に在籍した多くの選手の頑張りや、応援してくれている皆さんのおかげで今がある。香川県民としてうれしいし、これからどんどん記録を積み上げていきたいと思う」と語る。「セレッソはJ1クラスのチームなので、守っているだけではやられると思う。讃岐は今、勝てなくて苦しい状況だけど、自分たちから積極的に仕掛けてチーム一丸でチャレンジしたいと思います」と、このメモリアルゲームに意気込んでいる。

 現在、チームで一番得点の匂いがするFW木島良輔がケガでチームを離脱しているのが残念だが、練習を見て、監督と選手の話を聞いているうちに、セレッソ戦で讃岐の選手が走って走って、ボールと一緒に相手ゴールに飛び込むようなシーンが頭に浮かんできた。大観衆のヤンマースタジアム、讃岐の攻撃力がポイントの一戦だ。

文・大森一(オフィスひやあつ)