6月12日(日)2016明治安田生命J2リーグ第18節
FC岐阜 - セレッソ大阪 (13:00KICK OFF/長良川)
試合写真・コメントなど チケット
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 ラモス瑠偉監督を招いて3年目のFC岐阜。昨年にはJ1ライセンスも取得し、ピッチ内外で未来に向けた歩みを進めている。

2016明治安田生命J2リーグでは現在、6勝3分8敗の11位。0-4で2連敗の開幕スタートとなったものの、第3節・ギラヴァンツ北九州戦からは破竹の4連勝を果たすなど、最下位の悪循環からなかなか抜け出せなかった昨年とは違う反発力を見せている。
 立ち上がりの失点が止まらず、第14~16節では今季初の3連敗を喫してしまったが、「勝ってセレッソと堂々と戦う」(ラモス監督)と臨んだ前節・東京V戦を1-1の引き分けに持ち込み、連敗を止めてホームに戻ってきた。

 だからこそ、今節の重要度は増している。岐阜がここから上位を目指すためには、これまでのような波をなくし、継続して勝点を積み上げなければいけないからだ。この試合でJ2通算100試合出場を迎えるGK高木義成も、「自分の記録より、目先の1試合のほうが大事」と視線を向けている。
「勝ちが先行しないことには上が見えてこないから、早く(勝ち星を)五分に戻したい。下位に沈む可能性のある順位まで来ちゃっているけど、裏を返せば上との距離を縮められるチャンスでもある」 

 J2屈指のタレントを誇り、「一番J1っぽいサッカーをやっている(高木)」セレッソに対し、選手たちは「先に失点しないこと」と口をそろえる。とは言っても、受け身で守るのではない。自分たちでアクションを起こしていく意識を持ちながらも、球際は激しく、攻守の切り替えは早く――。試合の入りが緩く、前半早々の連続失点でリズムを崩した3連敗時のように、自らの首を絞めてしまう展開は避けなければいけない。

 ここまで17試合で総得点21。セレッソと同数のゴールを挙げているように、個を生かした迫力ある攻撃は岐阜の強み。それを引き出すためにも、守備の耐久力は欠かせない。
「11人全員でどれだけ無失点で我慢できるか。クリア後のセカンドボールをどれだけ拾えるか。守備がうまくできれば攻撃の形も徐々に作りやすくなると思うし、守備から攻撃の良い流れを作れたら…」。そう展望するのはルーキーのセンターバック田代雅也。「気負い過ぎずにやりたい。セレッソと試合ができるなんて、逆に楽しみだなというのはあります」。桜の強烈なタレントたちとの共演を、むしろ楽しみにしていた。

 セレッソには3連敗中で、過去に1度(2009年J2第30節)しか勝てていない難敵だが、だからこそ勝った時に得られるものは大きいはず。上位浮上につなげるべく、岐阜は臆することなく堂々と立ち向かっていくはずだ。 

文・ 村本裕太