7月9日(土)2016明治安田生命J2リーグ第22節
セレッソ大阪 - 北海道コンサドーレ札幌 (19:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 勝点45で首位に立つ北海道コンサドーレ札幌。今季は堅守をベースにした戦術が機能し、着実に白星を重ねている。注目すべきは1-0での勝利が8つもあること。攻め込まれても粘り強く跳ね返し、要所で内村圭宏(6ゴール)や都倉賢(10ゴール)、ジュリーニョ(4ゴール)ら「個の力」を持ったアタッカーがしたたかに得点を奪う。そうした「勝利の方程式」を身に着け、戦力面で上回る相手からも勝点を奪い続けている。

 加えて、先月29日にはサガン鳥栖からMF菊地直哉の期限付き移籍加入が発表された。センターバックさらには守備的MFなど複数ポジションを高いレベルでこなす菊地の加入は、札幌の堅守をさらに強固にするはず。5日に初めて全体練習に加わったばかりだが、この試合に向けても「当然、出場に向けて準備をしていく」と新天地での初戦に向けてモチベーションは高い。

 同様に意欲を高めているのが、元セレッソ戦士のGKク ソンユンだ。「DF陣の頑張りが堅守の要因。自分は特に大きな貢献ができている実感はない」と謙遜をするが、この身長195cmの守護神の存在は間違いなく大きい。確かに毎試合、札幌守備陣は体を張ってシュートを跳ね返している。だが、そうした厚い壁をすり抜けてシュートが放たれたとしても、このクが長い手と並外れた跳躍力でストップしてしまうのだから、対戦するFW陣にとっては脅威だろう。まさに「かゆい所に手が届く」手厚い守備を、このクが中心となって構築しているのである。リオデジャネイロ五輪に挑むU-23韓国代表メンバーに選出されたばかり。しかも発表日は自身の22回目の誕生日でもあり、「うれしい誕生日プレゼントになりました」と笑顔も見せる。

 だが、当面のひとつの目標は果たしたものの、クには「キンチョウスタジアムで勝ちたい」という目標が依然として残されている。セレッソ在籍時には果たせなかったキンチョウスタジアムでのプレーは昨季に達成 したものの、敗戦だった。それだけに今回の対戦への意気込みは高い。「あのスタジアムで勝ってみたいんです」と強く発する。
 セレッソ在籍時はケガにも苦しみ、公式戦出場を果たせなかった。悔しさや、なにげないときにふと涙がこぼれたこともあったと言う。そんな若き守護神が、五輪の舞台に赴く韓国代表選手としてキンチョウスタジアムで躍動する。かつての仲間たちのシュートを防ぎ、もう1つの目標を果たしたうえでリオへと向かうつもりだ。

1位と2位との直接対決には、様々な想いが詰まっている。熱い試合になることは間違いない。

文・斉藤宏則