7月31日(日)2016明治安田生命J2リーグ第26節
京都サンガF.C. - セレッソ大阪 (18:00KICK OFF/西京極)
試合写真・コメントなど チケット
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 リーグ後半戦、京都にとって大一番となる関西ダービー。楽しみな一戦だ。
 前回の対戦と違うのは、京都も夏の補強で新戦力が増えたこと。ブラジルからFWキロス、そして広島からMF吉野恭平(期限付き)が加入した。
 キロスは195cmの長身で見た目どおり空中戦のスペシャリスト。紅白戦でも頭で決めており、周りの選手も生かし方は心得ている。ただ、監督も認める通りまだフィットしきれていないので、時間限定での起用となることは間違いないだろう。
 吉野は21歳で、守備に強みを持つ即戦力ボランチ。「広島だと出場すれば育成という目で見られるけど、京都で出場するとなったらチームを勝たせないといけないという気持ちがあるし、そういう存在にならないといけない」と意欲十分だ。特に今節はボランチのアンドレイが累積警告で出場停止。前々節で好パフォーマンスを見せた京都生え抜きの國領一平もいるだけに、ボランチはどちらが出場するのか、注目点でもある。
 山瀬功治、イ ヨンジェもケガから復帰し、先発組での練習に参加。石丸清隆監督は「新しいメンバーで、これからチームを作り上げていかなければならない」と改めて気を引き締めるが、一気に層が厚くなったという印象がある。

 セレッソ大阪戦への準備も着々と進められている。石丸監督はセレッソの印象を聞かれ「前回対戦(第10節)とそんなに変わりはない」としながらも「1人1人のコンディションの良さを感じますね」と警戒度を高めた。特に要注意選手は中盤の山口蛍で「守備範囲がずば抜けて広い」。試合のポイントに挙げたのは「セットプレー」。セレッソのストロングポイントだとも話し、「セットプレーは試合の行方を大きく握るでしょうね」とした。

 昨季までセレッソに在籍した染谷悠太も、今節では出場が見込まれる。前回対戦時は直前にケガをして戦列を離れていた。現在は、京都生え抜きの下畠翔吾も自信と余裕を身に付けてきており、染谷、下畠、菅沼駿哉でセンターバックの定位置争いを繰り広げている。
 前回は出場できなかったセレッソ戦への思いもひとしおのようで、染谷は「キンチョウスタジアムでできるのはリーグ戦で1年に1回だけなので出場できずに残念でした。今度は京都のホームでできるので、楽しみにしたい」と意気込む。「セレッソの強みは、やはり個の能力の高さ」とも口にした。
 余談になるが、染谷は東京出身だが2009年の京都加入以来、ずっと関西でプレーしてきた。そろそろ関西の雰囲気が染み込んだのでは?との問いに「いや、ないですね」と即答。「関西の人って優しいっていう感じがある。道を訪ねるとすごくていねいに教えてくれたり…。関東はもっと素っ気ないんで、自分はまだまだ関東寄りだと思いますね」。ちなみに、その「関西感」がもっとも強かったのが「セレッソの丸橋祐介と山下達也」と、これまた即答した。

 ほかに楽しみなのは、前回の原稿 でも紹介したが、大学時代にも火花を散らしていた本多勇喜と松田陸(本多:阪南大、松田:びわこ成蹊スポーツ大)のマッチアップ。前回対戦で得点を挙げている本多は「陸にはいいクロスもある。後手を踏まないようにしたい」。

 現在3位(勝点47)だが、2連敗中のセレッソ、5位(勝点42)で昇格プレーオフ枠争い中の京都。互いに負けられない関西ダービー、西京極で真夏の決戦だ。

 文・武田賢宗