9月11日(日)2016明治安田生命J2リーグ第31節
セレッソ大阪 - V・ファーレン長崎 (19:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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「J1レベル」、「個人能力が高い」
 ほとんどの選手がそう語るとおり、同じリーグに所属していながら別格のチームなのが、V・ファーレン長崎にとってのセレッソ大阪だ。その別格チームと戦うために、長崎の選手たちがやらなければいけないノルマは多い。

「組織で隙を見せずに戦う(MF梶川諒太)」
「ブロックを作ってスペースを与えず、人にはプレッシャーをかける(MF岸田翔平)」
「相手より走る(MF木村裕)」
 これらとともに最も大事になるのが、強いメンタルを90分維持することだろう。
6月8日に長崎で行われた前回の対戦(第17節)では、前半にリードを奪われたなか、後半アディショナルタイムに永井龍のゴールで追いついたものの、直後に木本恭生に勝ち越しゴールを決められ、わずか数分の油断も許されないと学んだ。高木琢也監督が試合後に「手痛いレッスン」と表現したこの経験を、今回の対戦で生かさなければならない。

 リーグ戦前半を苦戦した長崎だが、7月からは攻守の改善も進み、リーグ後半戦に入ってからは未だ2敗のみと安定感が生まれてきている。だが、まだ11位と中位を抜け出す力強さに欠けており、松本、清水といった上位には勝てていない。加えて、セレッソ戦4日前に開催された、熊本地震で延期となっていたJ2第8節・水戸戦は1-1のドローに終わり、リーグ戦は4戦未勝利(3分1敗)となってしまった。目標であるJ1昇格を達成するには、上位にこれ以上離されるわけにはいかず、セレッソ戦はなんとしても勝点3を取りたいゲームだ。

 なかでも、ずっとキンチョウスタジアムを文字通りの「我が家」としてきた永井が、この試合に賭ける気持ちは特別だ。
「顔が変わった。ユースのときにあった、周りを鼓舞するオーラが戻ってきている」と評して、最も楽しみにしていた杉本健勇との対決こそ杉本の故障で流れてしまいそうだが、中学1年から一緒にプレーし「誰が見てもすごい存在」という山口蛍や、ずっとともに戦ってきた丸橋祐介との対戦を前に火が点いていないわけはない。同時に、今でも「セレッソのおかげで今の自分はある」と言い切れるほど特別なチームであるからこそ、その実力は十分に理解している。それでも、そんなセレッソを、長崎の選手として超えたいという気持ちに揺らぎはない。得点ランキングは、J2リーグ3位(14得点)。今、永井が、そして長崎のサポーターが狙っているのはただ1つ!長崎の永井が長居(金鳥スタ)で勝利のゴールを決めること!それ以外は見えていない。

文・藤原裕久