10月8日(土)2016明治安田生命J2リーグ第35節
セレッソ大阪 - FC岐阜 (14:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
----------

 現在20位、J2残留争いの真っ只中のFC岐阜。前節からJ1昇格を狙う上位クラブとの4連戦(第34節vsファジアーノ岡山、第35節vsセレッソ大阪、第36節vs京都サンガF.C.、第37節vsFC町田ゼルビア)だが、岐阜も岐阜で負けられない状況だ。

 クラブが監督の交代を決断したのは7月22日のこと。3年契約の最終年をラモス瑠偉前監督と完走することはできなかったが、だからこそ選手たちはその責任を胸に抱き、戦い続ける。率いるのは、吉田恵新監督。推し進めてきたのは「良い守備からの良い攻撃」だ。

 監督交代後の10試合は2勝4分4敗。2連勝で迎えた前節・岡山戦の結果(0-5)にはショックを隠せないものの、下を向いてはいられない。欠けていたのは、球際、攻守の切り替えといったアグレッシブさ。セレッソ戦に向けて、指揮官が伝えたのは、ある種の“原点回帰”だ。
「“戦う”というベースの部分、まずはそこを出せるように。最低限それができないと、戦術などの話にもならない。それは常々言ってきていることですが、それが前節はできなかった。セレッソは個々のスキルが高く、プレーの判断も非常に速く、スピードのある選手も多い。“戦う”というベースの部分を、もう一度高めていこうという話はしました」

 そこで熱い気持ちを再燃させている1人が、アンカーとして中盤の底を締める岡根直哉。「恐れないこと、怖がらないこと」と前節からの反発心を心に抱き、無失点ゲームを誓う彼は、セレッソに縁のあるプレーヤーでもある。大阪は地元で、家と長居は目と鼻の先。「Jリーグと言ったらセレッソの試合」と、週末になるたびに自転車で通っていた高校生当時の光景は、いまも胸に焼き付いている。
「アキさん(西澤明訓)、モリシさん(森島寛晃)はもちろん、(初芝橋本高校の)先輩の前田和哉さん、酒本(憲幸)さん。宮本(卓也)さんは山形で一緒にプレーしたし、下村(東美)さん、古橋(達弥)さん、ファビーニョ、ブルーノ クアドロスなんかめちゃうまくて好きやった。高校にもセレッソジュニアユースの選手がいっぱいおったし、セレッソは小さいときから憧れていたクラブ。次はキンチョウスタジアムですけど、そういうクラブとやれるのはうれしいです」
 だからこそ、秘める思いも強くなる。「セレッソはしっかり崩してくる印象。それができるだけの技術を持った選手たちばかりなので、“持たれている”ではなく、“持たせる”イメージで連動した守備ができたら」と、もちろん勝負にもこだわっている。 

 守備が安定すれば、前線にはJ2でも屈指の個がそろう。快速を武器にリーグNo1のドリブル数を誇るレオミネイロはもちろん、エヴァンドロ、難波宏明、髙地系治、レオナルド ロシャといったタレントも戦闘態勢。彼らを旗印としたカウンターにつなげるためにも、チーム全員で“良い守備”をもう一度――。

文・村本裕太