3月11日(土)2017明治安田生命J1リーグ第3節
北海道コンサドーレ札幌 - セレッソ大阪 (15:00KICK OFF/札幌ド)
試合写真・コメントなど チケット
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 5シーズンぶりとなるJ1の舞台で奮闘中のコンサドーレ札幌。開幕から2試合を終えて2戦2敗(対仙台、対横浜FM)と連敗スタートになってしまっているが、「負けはしているものの、いい戦いができている時間帯もある」と就任3年目で初めてのJ1采配となる四方田修平監督はしっかりとプラス要素を見出している。

 具体的な箇所としては、2戦ともに前半は0-0のスコアで終えているところは前向きに捉えるべきだろう。昨シーズンのJ2で優勝を果たした札幌だが、その原動力となっていたのがチーム全体としての組織的な守備だった。相手ボール時にはフィールドプレーヤー全員が守備ブロックを組み、相手に自由なパス交換をさせない。そうやって相手に隙が生まれるのを待ち、一気に逆襲へと転じるスタイル。ここまでの2試合では、結果的にはハイレベルなJ1のアタッカーたちに守備網をこじ開けられてしまったものの、前述したように、自分たちの意図したプランに近い試合展開には持ち込めている。守備と攻撃の双方に、もうひと踏ん張りがあれば、違う戦績になっていた可能性も大いにある。

 そうして迎えるこの一戦だが、注目すべきはどちらがより鋭く相手の守備の隙を突けるか、だろう。今シーズンのセレッソ大阪は前節 こそ浦和レッズの強力な攻守に屈してしまったものの、開幕のジュビロ磐田戦 では前線から最終ラインまでがコンパクトに保たれ、全員が献身的に攻守を演じていた。組織的に守備を行い、すばやく攻めに出るというスタイルは札幌の戦い方に近い部分があると言ってもいいだろう。昨シーズンに札幌ドームで行われた対戦 では激しい攻め合いの末に札幌が勝利を収めているが、おそらく今回はそうはならないはず。札幌としては、まずは自分たちの持ち味である強固な守備を90分通して継続したいし、セレッソも敵地で最低でも勝点1を拾って帰りたいはず。緊張感たっぷりの守り合いが演じられるのではないだろうか。

 そして、そのなかでより強く闘志を燃やしているのが2014年までセレッソに在籍した韓国人GKク ソンユンだ。今シーズンは初めてのJ1とあって、「シュートの質がとても高い。タイミングをズラして打ってくるし、ほぼ確実に枠内に蹴ってくる。思った以上にレベルが高い」と舌を巻くが、「でも、だからこそやりがいがある」と語気を強める。そして「J1でセレッソと戦えるのはうれしい。特徴を知っている選手も多いので、彼らのシュートはしっかり止めたい」と、古巣相手にはゴールを割らせないつもりだ。

文・斉藤宏則