8月9日(水)2017明治安田生命J1リーグ第21節
清水エスパルス - セレッソ大阪 (19:00KICK OFF/アイスタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 今の清水は、主力選手の負傷離脱が相次ぎ、セレッソ戦ではボランチの六平光成が警告累積で出場停止となって、かなり苦しい台所事情にある。前回のセレッソとの対戦(第15節)で欠場した10番・白崎凌兵はまだ復帰できず、その試合で鮮やかな先制ゴールを生み出した鄭大世とチアゴ・アウベスの強力2トップも欠場濃厚。その他にも負傷者が多く、2種登録のユース選手を招集しなければベンチが埋まらない状況になっている。
 ただ、そうした苦しいときに意外な強さを発揮するチームでもある。前回のホームゲーム・ガンバ大阪戦(第18節)でも、自慢の2トップを欠く中で全員がひたむきにハードワークを見せ、好調なG大阪に互角以上の戦いをくり広げて2-0で完勝。シーズン前半はホームで勝てない状況が続いたが、ここに来てホーム2連勝(天皇杯も含めれば3連勝)と、ホームでの強さも発揮し始めている。

 サッカーの内容に関しても、直近2試合は複数失点が続いているが、組織で粘り強く守るという意味では安定感が出てきている。前回のセレッソ戦でも、アディショナルタイムにPKで失点するまでは、迫力あるセレッソの攻撃を無失点にしのぎ続けた。
 攻撃に関しても、決定力には課題があるが、コンビネーションで崩すという面では着実に進化を見せている。187cmのFW・長谷川悠が調子を上げ、前線でボールを収めて味方をうまく生かしているのも大きなプラス要素だ。長谷川自身も公式戦3試合連続得点中とゴール感覚をよみがえらせて、頼れる存在となっている。
 若い金子翔太(22歳)や北川航也(21歳)も、今は自分の力をアピールするチャンスととらえており、ミッチェル デュークもゴールに飢えている。彼らにゴールが生まれれば、チームとしてもかなり勢いづくはずだ。

 元セレッソの村田和哉も、久しぶりに先発出場する可能性が出てきており、そうなれば今節がJ1通算100試合目。「不思議な巡り合わせ」と気合が入りまくっている。現在のセレッソに対しては「ここ数年見てきて中で、今はいちばんやることが明確になっていて、攻撃陣も脅威」と語るが、「前回も厳しい戦いやったけど勝てる可能性はあった。個人的にも調子はすごくいいので、アシストとか得点に絡むプレーをしたいです」と自信を見せる。
 前回の対戦で終了間際にハンドを犯してPKを献上した左サイドバックの松原后も、「すごく悔しい思いをしたので、今度はアシストや得点で結果を残したいです」と燃えており、右の村田と合わせて左右から多くのクロスボールが供給されるはずだ。

 現状の戦力を考えると、まずは守備から入って失点0に抑えるのが最大のテーマ。その中でカウンターやセットプレーを含めてセレッソの隙を突いてゴールを奪う。ピッチとスタンドが一体となってエスパルスの底力を見せることが、チームとしてもサポーターとしても目指しているところだ。

文・前島芳雄