8月19日(土)2017明治安田生命J1リーグ第23節
ジュビロ磐田 - セレッソ大阪 (18:30KICK OFF/ヤマハ)
試合写真・コメントなど チケット
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「勢いで勝ってきているわけではないね。やっぱりいいサッカーをしていると思う。ユンちゃんらしいチームを作っている」
 ジュビロ磐田の名波浩監督は、セレッソ大阪の印象をこう語っている。『ユンちゃん』とは、尹晶煥監督のことだ。名波監督は、親しみを込めてそう呼んでいる。クラブOBの韓国人指揮官の下、J1復帰初年度のセレッソは安定した力を発揮している。最後まで全力で戦い切る彼らは現在、首位争いを演じている。その強さは一時の爆発力に頼ったものではない。間違いなく、リーグでも指折りのチームである。

 しかし、磐田も負けてはいない。ホームでの第14節・ガンバ大阪戦勝利(3-0)を皮切りに破竹の6連勝を達成。この時期から戦い方が明確になった感がある。今シーズンも前線からの守備を目指しているが、それに固執せず、試合展開によっては思い切ってラインを下げることができている。ブロックを作って守ることでスペースを消し、隙も生じにくくなった。
 フィールドプレーヤーが守備の意識を高く保ち、向かってくる相手に対応することでGKカミンスキーの出番が減った。もちろん、ポーランド人守護神は現在も神懸かり的なスーパーセーブを見せているが、絶体絶命と言えるようなピンチは間違いなく少なくなっているのだ。 

 第20節・サンフレッチェ広島戦で敗れたことで連勝は止まり、翌節のベガルタ仙台戦ではドロー決着。それでも前節・G大阪を今度はアウェイで破って3試合ぶりの勝利を手にした。いい流れを取り戻したチームは再び連勝街道を突き進むべく、今節のセレッソ戦を迎える。

「特に両ボランチと両サイドバックは後ろからどんどん出てくる。なら俺らも出て行こうよ、と」
 今節のポイントを問われた名波監督はこう答えた。セレッソのアグレッシブな姿勢を受けるのではなく、自分たちはそれ以上の姿勢でゴールに迫るという意思表示だろう。
 磐田で印象的な活躍を見せ続けている川辺駿は、山口蛍とソウザを引き合いに出す。
「相手のダブルボランチと対峙した瞬間に負けないようにしないといけない。個人的にも日本代表の選手と対戦できるのはいい機会だし、自分の力を出すだけだと思う。また彼らは守備のアプローチが早いので、味方がすぐ刈られないようにいいサポートができれば。そうすればプレッシャーもいなせるし、自分たちの攻撃に繋げられると思う」

 今季のJ1リーグ開幕戦で対戦 した際はスコアレスドローに終わっただけに、決着をつけたい思いもあるはず。「前回はお互いに決め切れなかったし、今回は得点のあるゲームにしたい」と川又堅碁が言うように、ゴールと勝点3への執着心が見えるゲームを期待したい。 

文・青木務