8月26日(土)2017明治安田生命J1リーグ第24節
セレッソ大阪 - 鹿島アントラーズ (19:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 リーグタイトルの行方が定まるのはもう少し先のことのはずだが、勝点4差が開いたなかで迎える1位、2位の直接対決である。どちらのチームにとっても重要な一戦であることは言わずもがな、だ。

 鹿島は前回対戦 時から大きく様変わりしている。昨季のリーグ最優秀監督である石井正忠を解任して、ヘッドコーチだった大岩剛を昇格させた(5月31日)。クラブの思い切った決断には賛否が巻き起こったが、その後のリーグ戦では9勝1分1敗と文句の付けようがない結果を残している。新監督の下、選手のモチベーションが高くなったことはもちろんだが、各選手が長所を発揮してチームを形づくる鹿島らしさが戻ってきた。

 象徴的なのが様変わりした2列目の選手たちだろう。遠藤康と土居聖真が務めることが多かったそのポジションは、今では中村充孝とレアンドロのものになっている。周囲とのコンビネーションで相手守備を崩せる彼らのセンスを最大限に利用することが、今の鹿島の攻撃を支えている。
 さらにボランチの軸に定められているのは小笠原満男でもなく、レオ・シルバでもなく三竿健斗だ。守備バランスとボール奪取に優れる三竿は、試合ごとに成長を遂げ、いまでは中盤の底には欠かせない存在となった。クレバーなポジショニングでセンターバックの守備を助けている。
 彼らの活躍により、大岩体制になってから11試合で24得点9失点と、攻守にバランスの取れたチームになってきた。ただ、川崎Fに苦しめられたようにビルドアップの向上が今のチームの課題でもある。ボールを安定して前に運べれば金崎夢生ら決定力のある攻撃陣が控えているだけに、試合を優位に進めることができるだろう。

 そんな鹿島のなかでセレッソに所縁のある人は、もちろん羽田憲司コーチだ。監督交代によりチーム内での立場が繰り上がり、シーズン前半ではチームに帯同できなかったアウェイの遠征にも参加するようになった。
「一緒にやっていた選手もいるし、みんな歳を重ねて良い年齢になっている。1位、2位争いをしているこんな良い状況だし、お客さんもたくさんも入ると思う。長居に帰るのは楽しみだけど、セレッソとしても負けられないと思うし、うちももちろん勝ちに行く。緊迫したいい試合になるんじゃないですか」
 そう言って、慣れ親しんだ長居に戻ることを楽しみにしていた。試合中、ベンチメンバーのアップを担当するのが羽田コーチの大事な役割の1つ。「剛さんが、どういう交代をするか考えながら選手に声をかけている」と言うだけに、試合の流れを見つつ、羽田コーチがどのポジションの選手をアップさせているかにも注目してほしい。

文・田中滋