3月31日(土)2018明治安田生命J1リーグ 第5節
セレッソ大阪 - 湘南ベルマーレ (19:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 セレッソ大阪と昨季対戦した際の印象を、大野和成(昨季は新潟所属)はこんなふうに振り返る。
「技術の高い選手が前線に多いですけど、それ以上に守備の堅さと規律を感じた。だからこそ後ろからの最初のパスの供給は大事になってくると思います」

 2012年、2013年と2シーズン湘南に在籍し、今季5年ぶりに再加入したDFの語る言葉は、現在のチームの取り組みにも通じよう。湘南ベルマーレはV・ファーレン長崎との開幕戦に勝利し、以降、昨季J1王者の川崎フロンターレと1-1で引き分け、タレント集う名古屋グランパスともスコアレスドローを演じるなど好スタートを切った。
 背景には、相手の時間帯を粘り強く凌ぐ意識の共有がある。しかし、かたや攻撃に目を向けると、ことリーグ戦においては得点がリスタートから生まれたものに限られている。いや、守備の安定とともにセットプレーの機を活かし、難しい展開でも勝点を積み上げられるようになった戦いの幅は、就任7年目を迎える曺貴裁監督のもとで歳月を重ねて培ったチームとしての成長と言える。ただ、ベースとなる攻撃的なスタイルを思えば、人数をかけて相手ゴールに迫るダイナミズムを流れのなかにより多く求めたい。

 開幕から公式戦4試合負けなしだった彼らだが、ルヴァンカップで長崎に逆転負けを喫すると、続くJ1前節のFC東京 戦は0-1で敗れ、放ったシュートはゲームを通して2本にとどまった。後半開始早々に失点して以降はとくに相手の堅守がより強まったこともあり、ゴールを脅かすまでには至らなかった。

 インターナショナルマッチウィークを経て、チームはあらためて攻撃を見直した。「ゴール前に人数をかけていくために、なにをしなければいけないか」今節を見据え、指揮官は言う。
「得点を取ることに関して、1回で崩せないなら2回、2回で崩せないなら3回と、連続しなければ厚みのある攻撃はできない。セレッソも切り替えが速いし、前で収める選手もシュートを決める選手もいるなかで、我々はどれだけそこに対して抵抗していけるか。組織的な守備についてはある程度やるべきことの浸透度は高まっていると思うので、相手コートに入ったときにしっかりプレーできるようにしたい」
 セレッソ大阪の洗練された堅守速攻に対し、機動力を活かしながら攻守に仕掛けたい。切り替え鋭い両者の戦い、目の離せぬ攻防が予想される。

文・隈元大吾