8月11日(土・祝)2018明治安田生命J1リーグ 第21節
北海道コンサドーレ札幌 - セレッソ大阪 (13:00KICK OFF/札幌ド)
試合写真・コメントなど チケット
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 台風での順延による未消化試合が1つあるものの、北海道コンサドーレ札幌は第20節までを終えてセレッソ大阪よりも勝点で1上回っての4位。昨シーズンはクラブとして16年ぶりとなるJ1残留を果たし、そこに今シーズンはサンフレッチェ広島や浦和レッズに攻撃的なパスサッカーを植え付けてJ1上位へと導いたセルビア人(オーストリア国籍)のミシャことミハイロ・ペトロヴィッチ監督を招へいし、チームは躍進を果たしている。チーム作りが始まってまだ間もない第2節 の前回対戦時(△3-3)とはチームとしての成熟度も勢いも、なにもかもが違っていると見るべきだろう。

 まだまだ攻撃的なミシャサッカーの構築の序盤ではあるものの、現時点でのチーム作りをおおまかに表現すると「現実と理想との適度な融合」である。昨シーズンまでの札幌のストロングポイントだったハードワークをベースとした堅守速攻を尊重しながら、ミシャが目指すパスサッカーを段階的に叩き込んでいる印象だ。多くのJリーグファンが知るように、ミシャのサッカーといえばやはり細かなパスワークで相手守備を徹底して崩していくもの。だが、現時点では過度にそのスタイルに固執することなく、まずは札幌がもともと持っている良さや、現有戦力の特徴を活用。練習では理想とするパスサッカーを追求しながらも、試合のなかでは堅実に攻守両面でメリハリのある戦いをして着実に勝点を積んでいる。

 そのなかで、この試合に向けて意気込みを強めている1人が、今シーズンに川崎フロンターレから期限付き移籍で加入したMF三好康児だ。セレッソのDF舩木翔と同様に今月中旬に始まるアジア競技大会のU-21(21歳以下)日本代表に選出されており、この試合をもって一時的にチームを離脱する。「ホームゲームでもあるし、しっかりと勝って、いいイメージで代表合宿に行きたい」と口にしている。出場機会を求めて札幌に加入した今シーズンは開幕から定位置を確保し、得意のドリブルから数多くの好機を演出。そのなかで自身も10得点を目標としながらもここまで無得点とあって「得点という結果も残して、チームを離れたい」とゴール奪取を誓う。

 また、これまでに何度も対戦を果たしているものの、2014年までセレッソに在籍した韓国人GKク ソンユンにとっては、今回の古巣対戦は今までとはまた違ったメンタリティーで挑むことになる。FIFAワールドカップロシア大会が終わり、次回大会に向けてのリスタートのタイミング。「次のワールドカップのメンバーに選ばれることを目標にするのではなく、自分が韓国代表のファーストGKとしてワールドカップでプレーすることを目指して努力していく」とのこと。尊敬する先輩であり、かつてのチームメイトでもあったセレッソのGKキム ジンヒョンを上回るプレーを見せるつもりだ。

文・斉藤宏則