10月6日(土)2018明治安田生命J1リーグ 第29節
セレッソ大阪 - ガンバ大阪 (14:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 残留争いの真っ只中に身を置くガンバ大阪だが、シーズン終盤を前に遅まきながら本来の力を見せ始めている。

 7月にレヴィー クルピ監督を電撃解任。宮本恒靖監督の就任後も、波に乗り切れない戦いが続き、降格圏内をうろつく日々が続いていたが、チームは現在4連勝中。前年王者の川崎フロンターレや首位を走っていたサンフレッチェ広島に完封で勝ち切っているのは、チームの完全復調を物語るものだ。

 立役者の1人は右足首の手術後、ピッチから遠ざかっていた今野泰幸である。川崎F戦で戦線復帰した今野について「チームに1本、守備の軸が通る」と宮本監督も期待を寄せていたが、その安定感は抜群だ。

 開幕からベストメンバーを固めきれず低迷が続いたG大阪だが、夏場に獲得した渡邉千真と小野瀬康介がチームにフィット。満を持して、今季2回目の大阪ダービーに乗り込む、と言いたいところだが、大一番でエースを欠くのが痛手でもある。
 昨年7月と今年4月の大阪ダービーではそれぞれ同点ゴールと決勝弾をゲット。セレッソに相性がいいファン ウィジョは現在3試合連続で決勝ゴールを叩き出し、絶好調だったが累積警告により今節は出場停止。代役は徐々にコンディションを上げているアデミウソンが濃厚だ。

 前節の勝利で13位に順位を上げ、チーム内の雰囲気も上々だが、大阪ダービーに向けて気の緩みは一切ない。「ダービーにチーム状態や順位は関係ない。現に僕らも連敗中だった4月にセレッソに勝っている」と話すのは守護神の東口順昭だ。

 川崎F戦から球際の激しさと運動量の多さを前面に押し出し「全員がハードワークできている」(倉田秋)スタイルで、攻守の安定感を取り戻してきたG大阪だが、清武弘嗣や山口蛍ら代表クラスのタレントを擁するセレッソが簡単な相手でないことは選手たちも百も承知。藤春廣輝も言う。「セレッソの前線にはやはり個々で技術を持つ選手がいますし、僕らも局面の対応でしっかりと抑えないと厳しい試合になる」

 リーグ戦のダービーに関しては2012年以降、現在3勝3分1敗で相性がいいG大阪だが、昨年はルヴァンカップ準決勝の第2戦で痛恨の負けを喫するなど、もはやかつての「お得意様」でないのは明らかだ。

 G大阪のアカデミー育ちの宮本監督にとっては、トップの監督として初のダービーとなるが「我々としては勝たないといけない試合だが、いろんな意味で判断を冷静にしたい」と選手同様に勝ち気を隠そうとはしない。
 勝てば更に残留争いに弾みがつく大阪ダービー。「大阪」の名にかけてアウェイでも勝ちに行く。

文・下薗昌記