11月10日(土)2018明治安田生命J1リーグ 第32節
セレッソ大阪 - 川崎フロンターレ (14:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 優勝がかかったヤンマースタジアム長居でのセレッソ大阪vs川崎フロンターレというカードから、ふと2000年のことを思い出してしまった。あの時は立場が逆で、セレッソの優勝を川崎Fが阻止した。世間的にはセレッソが圧倒的に有利だと思われていたが、結果は逆。サッカーの怖さの1つだ。
 この時は『してやったり』の川崎Fだったが、ともに初タイトルを狙った昨季のJリーグYBCルヴァンカップ決勝(@埼玉)では、開始早々の失点を挽回できず敗戦。『してやられて』しまった。

 このルヴァンカップ決勝から、川崎Fはセレッソに公式戦3連敗中と分が悪い(FUJI XEROX SUPER CUP J1リーグ戦第7節 )。勝たねばならない試合はあまたあれど、どことなく嫌な相手はあるもので、ここ最近ではそれがセレッソになっている感がある。
 たとえば知念慶は、セレッソのことを「ちょっと苦手意識のあるチーム」と表現。だからこそ先制点が大事だと話す。同じ文脈で奈良竜樹は「なかなか勝ててないですし、今年だけで2回負けているので。そこに勝ちたいですね」と意気込む。また奈良は、「自分たちの前でカップを掲げられた相手。まずは、そこにしっかり勝ちたいという気持ちが一番です」とも話す。昨季のルヴァンカップ決勝は出場停止だった奈良がこう言うのだから、チーム全体が受けた悔しさはかなりのものだった。 

 長い対戦の歴史があれば、その中で勝った・負けたの思い出は堆積していく。そうした記憶が歴史になる過程で、対戦に重みが出て来る。川崎Fにとって「優勝の懸かる長居でのセレッソ戦」を、18年前とは逆の立場で迎えることに時間の流れを感じる。

 昨季の鹿島はもちろん、過去優勝を目前に失速したチームは枚挙にいとまがない。だからこそ、川崎Fはこの試合を必勝の思いで迎えている。
1年前に川崎Fが噛み締めた悔しさが、その後にリーグタイトルへのモチベーションになったことを考えると、今回の対戦は決勝で敗れた悔しさを連覇という形でダイレクトに晴らせる大きなチャンスとも言える。
 もちろんセレッソは目の前での戴冠を全力で防ごうとするはず。その強い気持ちを、連覇への強い気持ちで跳ね返すいい試合を見せてもらいたいと思う。たぶん、この試合は好ゲームになる。

文・江藤高志