2月22日(金)2019明治安田生命J1リーグ 第1節
セレッソ大阪 - ヴィッセル神戸 (19:30KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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「金J開幕戦」は因縁だらけの阪神ダービー。昨季1勝1分でヴィッセル神戸が勝ち越し、セレッソとしては絶対に負けられないから…だけではない。神戸が昨季あげたJ1通算200勝目の相手がセレッソだったから…でもない。人間関係の因縁だ。

 2010年のFIFAワールドカップ南アフリカで得点王となったダビド ビジャが加入した今季の神戸は、アンドレス イニエスタ、ルーカス ポドルスキと合わせ、豪華BIG3が攻撃をけん引する。J1最強と言っても過言ではないこの前線トライアングルを、セレッソがどう抑え、反撃に転じるか。ゲームとしての見どころはここに尽きると思われる。

 だが、その表面的な見どころよりも、人間関係の因縁にこそ今回の見どころがあると考える。
 まずセレッソのロティーナ監督。今季からセレッソにやってきた名将は、かつてスペインのレアル ソシエダやデポルティーボ ラ コルーニャ、ビジャレアルCFといった名門クラブを率いている。その際、イニエスタやビジャと幾度となく対戦している。
 また神戸のフアン マヌエル リージョ監督との関係で言うと、ロティーナ監督がレアル ソシエダを2部に降格させ、その2年後にリージョ監督が2部のソシエダを率いている。ともに戦術家として知られるスペイン人監督が、どんな策を練ってくるのか楽しみである。

 日本人選手に目を向けると、セレッソに新加入した都倉賢と藤田直之は元神戸。そして山口蛍が元セレッソという入り組んだ古巣対決の図式に。特に、まるでトレードのような形でIN/OUTした山口と藤田のボランチ2人にとっては、移籍が間違いではなかったことを自ら証明する機会でもある。

 1月17日の神戸での新加入会見で、山口はこんなコメントを残している。
「神戸サポーターにとって僕の印象は関西のライバル・セレッソ大阪のイメージが強いと思います。すぐには受け入れてもらえないのかなと思いますけど、しっかりプレーと結果で示して、1日でも早くサポーターの方に認めてもらえるように頑張りたいと思います」
 それから約1カ月後に行われたノエビアスタジアム神戸での今季初の公開練習後、山口は「(ビジャ、イニエスタ、ポドルスキの)前の3人を生かすのが自分の役割」とコメントしている。すでに神戸の一員としての覚悟は固まったようなこの発言。その覚悟を古巣のピッチで示す機会になる。

文・白井邦彦