3月13日(水)JリーグYBCルヴァンカップ 第2節
ヴィッセル神戸 - セレッソ大阪 (19:00KICK OFF/神戸ユ)
試合写真・コメントなど チケット
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 今季J1リーグ開幕戦 では0-1でセレッソに軍配が上がったこのカード。だが、今節はまったく内容が異なる一戦になるだろう。ヴィッセル神戸がメンバーを大きく替える可能性が高いからである。

 3月6日(水)のルヴァンカップ・名古屋グランパス戦で、神戸はダビド ビジャ、アンドレス イニエスタをベンチに温存し、ルーカス ポドルスキに至ってはベンチにも入れず。この日のメンバーで、リーグ開幕戦のセレッソ戦に出場した選手はDF渡部博文と三原雅俊の2人のみ。戦い方のコンセプトはリーグ戦と同じだが、選手が替われば当然チームの個性も変わってくる。

 名古屋戦での神戸は、リーグ戦のようにボールを相手陣内でしっかり握って試合を組み立てるというよりは、ロングボールを効果的に使い、トップに入ったウェリントンの高さ、FW小川慶治朗や右サイドバック藤谷壮のスピード、FW郷家友太やMF田中順也のオフェンス力を生かすような速いサッカーを展開していた。もちろん、大雨というコンディションの影響もあったが、今節も概ねこの縦に速いスタイルになることが予想される。

 その中で、注目は名古屋戦で2ゴールを挙げたウェリントンだろう。1点目は田中順也からのクロスをきっちり右足で合わせてゴールを奪い、2点目は後半アディショナルタイムに得たPKを決めて同点に。ストライカーに最も求められる結果を残したことで調子も上向きだ。

 とはいえ、彼はいわゆるドリブラーではない。セレッソとしては、ウェリントンをどう抑えるかも大切だが、むしろ彼にいいボールを入れさせないことが大切だと思われる。つまり、ウェリントン周辺の対応。名古屋戦で多くのチャンスメイクをした小川慶治朗、田中順也あたりのケアがテーマになる。そこで1つのカギを握ると思われるのが、古巣対決となるボランチ藤田直之。「結果がすべて」とゴールに飢えている小川慶治朗を、藤田がどう抑えるかは見ものだ。

 神戸での昨季の藤田は、ルヴァンカップで結果を残してリーグ戦のレギュラーに昇格し、以降、不動のボランチを勝ち取っている。セレッソではまだリーグ戦に出場していない藤田にとって、この神戸戦は願ってもない飛躍のチャンスとなる。藤田のプレーは、今節の見どころになりそうだ。

文・白井邦彦